6月4日(金)
サンパウロ総領事館(石田仁宏総領事)では、今年に入って死亡届、婚姻届などの戸籍関連の届け出が例年より減少しているのを受け、「放置しておくと子や孫にまで様々な弊害が生まれる恐れがある」ので届け出を怠らないよう呼びかけている。
〇一年一~四月までの戸籍関連届け出件数は八百七十七件、〇二年は六百九十五件、〇三年は七百三十六件あるのに対し、今年は六百五十八件と少なくなっている。昨年に比べ約一一%の減少だ。
日本国籍をもつ人の身分関係に変化があった場合、ブラジル側への身分登録だけでなく、日本側にも届け出する必要がある。総領事館では「戸籍は日本人の親族的身分関係を登録・公証する唯一のもの」とし、次のような弊害が生じる恐れがあるので、届け出を怠らないよう呼びかけている。
(1)一定範囲の親族には戸籍の届け出義務があり、過料(罰金等)が課せられる規定もある(実際に課せられた例はない)。死亡届なら同居親族やその他の同居者、婚姻届なら婚姻相手に届け出義務がある。
(2)届け出されていない事項は日本側で証明困難。例えば、遺産相続の手続きなど、日本側で何らかの証明書類が必要になっても発給できない。
(3)日本の公的機関で手続きをする時に手続きが困難になる。パスポート更新や帰化手続きなど、届け出がないと困難になる。
(4)日本国籍取得の機会を失っている場合がある。日本人が父でありながら日本国籍でない子について、日本国籍取得が可能な場合があるが、その場合も戸籍の整理が必要。
(5)届け出が遅れると戸籍整理が困難に。婚姻届けを出さないまま死亡した日本国籍者の場合、死亡届を出した後に戸籍の訂正が必要になることがある。その時、日本の家庭裁判所の許可がいる場合がある。
同館(11・3254・0100)の戸籍国籍・証明班では「届け出が必要かどうか迷った時は、ポ語対応スタッフもいるので、気軽に電話で問い合わせてください」と呼びかけた。