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所得税減税の暫定措置=一律100R$を課税控除=8月から、13カ月目も対象=来年は大幅改定の予定

6月3日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】パロッシ財務相は二日、議会と労組の圧力に譲歩して個人の所得税から毎月一律百レアルの課税対象額の減額を決定した。所得税の年内全面見直しはないものの、〇四年八月から十三カ月目給与も含めて全納税者が対象になる。上限を二十七レアル五〇センターボとして、源泉控除で減税が行われる。この措置により国庫の減収は、五億レアルに達する見込み。財務相は〇五年度では、広範囲にわたる所得税改定の法案上程を約束した。
 財務相の譲歩案は、所得税納税者から一律百レアルを課税対象額から控除するというもの。八月から十二月まで十三カ月目給与も含めて六カ月分の暫定措置だが、特別手当として控除項目が増えた。
 例えば月間所得一千八百レアルの勤労者で扶養家族が二人いる場合、社会保障負担金(INSS)が百九十八レアル、家族手当が一人当たり百六レアルで小計二百十二レアルを差し引ける。課税対象額は、一千三百九十レアルとなった。
 今回の暫定措置でさらに百レアルを差し引き、課税対象額は一千二百九十レアルとなる。従来の所得税計算では毎月の源泉徴収額は四十九レアル八〇セントであったのが、三十四レアル八〇セントに減額され、三〇%減税になる。
 同じ条件で月間所得が四千レアルの場合は、従来の五百四十二レアル七四セントの所得税が五百十五レアル二四セントと五%の減税に過ぎない。百レアルの特別手当は低額所得者ほど、有利になっている。
 所得税納税者は全国民からみると極めて少数の所得者であり、ブラジルの上流階級と財務省は位置付けしている。暫定措置による国庫減収分は、これからの税収増で賄えるとみている。今年度予算の修正は行わないと財務相は述べた。
 〇五年度の所得税改定案は、累進税率をさらにアップする模様。現在は月収一千五十八レアル以下の免税クラスとそれ以上から二千百十五レアル以下の一五%、上限二七・五%の三段階に大別される。従来の免税額月収一千五十八レアルは、百レアルの特別手当を入れて、一千百五十八レアルが暫定免税額になる。
 上限税率二七・五%クラスは課税対象額が二千百十五レアルから、一千百五十八レアルの倍額に当たる二千三百十六レアルに引き上げられる。財務省の計算では同措置により、月当たり所得税の源泉控除は、上限二十七レアル五〇セントの減額になるという。
 免税点の調整は、〇二年の前例が参考にされた。〇三年は九百レアルが免税点であった。これを一一・七五%引き上げ、〇四年度は一千五十八レアルを免税点とした。〇五年度の所得税改定税率は、最低税率を五%とし、最高税率を三五%に引き上げ、所得格差の是正を徐々に行う予定。