6月3日(木)
バルゼア・アレグレ入植四十五周年記念祭に行ってきた。マット・グロッソ州カンポ・グランデから、バスで四十五分。大草原をひたすら走った。
一九五九年、九家族が入植、二、三年間は何も作物が取れない時期が続いたという。その後、養鶏に活路を見いだし、牧畜、柑橘類の栽培なども盛んだ。日系居住者は約二百二十人。
記念祭会場である日本人会館に着くとまもなく演芸が始まった。日本語学校の生徒による太鼓、劇。日本でいま流行中の曲を踊りながら歌う三人の少女たちもいた。十五歳ぐらいだろうか。揃いの白いジーンズを着て、アイドルさながらに踊っている。
日本への憧れみたいなものが伝わってきた。彼女たちもあと五年もしたら、日本へ行ってしまうのだろうか。
バルゼア・アレグレは日本の習慣が強く残っているところだ。しかし、それも受け継ぐ人がいなければいつかは、消えてしまう。彼女らの笑顔を見ながら、そんなことを考えていた。 (達)