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コラム 

  近頃の日本では「継母(父)による継子殺しといじめ」が多い。専門家を称する人々が多くのコメントを発表するけれども、動物学を研究する竹内久美子氏の「動物行動学」からの見方が説得力に富む。鳥は子育て中であっても、相手が死んだりしていなくなると、新しいオスやメスがやってくる。が、子にエサはやらない。そして餓死させてしまい新しいオスやメスと繁殖に励むのだそうだ▼ライオンやチンパンジーでも同じ行動が見られるが、人間も同じではないか―と主張する。難しくは、動物は我が遺伝子をどうやって伝えてゆくかに最大の力を注いで動く。継母が「自分が生んだ子でない」赤ちゃんや子を嫌うのは、こうした動物行動によると指摘しているが、素人にもなんとなく解るような気がする。けれども―。長崎県佐世保市の小6女児による惨劇は―どのように理解したらいいのか▼加害者の少女は警察の取り調べに対して「殺すつもりだった」と語ったそうだが―。事の始まりはインターネットでのやり取りらしい。右首をカッターで切られ死亡した怜美さんと加害者は親しい仲間であった。パソコンの「チャット」で意見を述べあったりしていたのだが、ある日―怜美さんが書いて送った文章が悲惨で哀しい事件の引き金となった▼怜美さんは「容姿について」書いたそうだ。これが加害者を傷つけたらしいのだが、それにしても―果たして「殺意」に繋がるものなのかどうか―である。一日付け「樹海」十七行目にある「日本人」を「邦人二記者」と訂正しお詫び致します。   (遯)

04/06/03