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パイナップルで町おこし=濃縮ジュースをEUへ輸出 パラー州

 6月1日(火) 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】パラー州南東部のフロレスタ・デ・アラグアイア市は、パイナップル濃縮ジュースの大生産地として注目されている。同市から三千キロメートルも離れたサントス港へ三日間もかけて、一日置きに大型車で二十六トンの濃縮ジュースが運搬されている。最寄りのベレン港には、定期船が寄港しないからだ。
 同市は〇三年、同地域のパイナップルを集荷し、五千五百トンの濃縮ジュースをトン当たり千百ドルでEUへ輸出した。パイナップル・ジュースは、パラー州とトカンチンス州の新産業として定着した。ジュース・メーカーのフローラ社は、三百万ドルを投じてマラジョー島にもジュース工場を建設している。
 同市は人口一万四千人、銀行や携帯電話用の電話局もない。パイナップルの作付け面積は一万二千ヘクタール、八百世帯の零細農によって栽培されている。郡単位では、同郡はブラジル一。州単位では、ミナス州とパライバ州に次いでパラー州は第三位。ブラジルのパイナップル生産は、タイに次いで世界第二位。
 同市は決闘の町として知られているが、パイナップル生産地として知っている人は少ない。生産者は灼熱の太陽の下で、厚手の作業服を来て働く。パイナップルの葉にある刺が、布地を痛めるからだ。日雇い労働者の日給は、食事付きで二十五レアル。
 生産は、折半の歩合作。地主が整地済みの土地と苗、肥料、農薬を提供。歩合農が労力提供。植え付けから収穫まで十七カ月。畑の生産者価格は、一個〇・六〇センターボ。歩合農の手取りは、月収で一世帯当たり千五百レアル。ジュース工場の買い取り価格は、トン当たり百八十レアル。地主には生産原価が、トン当たり九十五レアルになる。
 八〇年代の栽培当初、消費地までの運搬で大量のキズものが出て、生産者は悩まされていた。その問題がジュース加工で解決。それでもリオのCEASAから中間業者が、パイナップルの買い付けにくる。初めのうちはキチンと払うが、知り合いになると後払いといい出し、最後は騙されることが多い。