5月22日(土)
【アゴーラ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日、二十一日】サンパウロ市都市清掃課(LIMPURB)の不祥事が二十日、二十一日と二日連続で、サンパウロ市の主要伯字紙などで大々的に報じられている。
サンパウロ州検察庁は、同課の職員と同市のゴミ清掃・回収を請け負う業者が、架空の業務への対価を受け取るために監査報告書を改ざんしていたとみて、十九日に同課とサンパウロ市東部で清掃・回収を行っている業者『クリーバ』を捜索、関係書類を押収した。
サンパウロ市は市内清掃に毎年約三億五千万レアルを費やしているが、清掃業務は七〇%しか行われず、残りの一億五百万レアルは職員と業者に横領された疑いがある。
クリーバ社の内部報告書によると、同社は清掃サービスに必要とされる従業員数より少ない人数しか雇用していない。そのため、清掃サービスも不十分なものになっている。しかしながら、これらの清掃員の給与が引かれることもなければ、同社が罰金対象になることもなかった。
監査の不履行によって、サンパウロ市は清掃サービスとして含まれていない架空業務の分まで清掃会社に支払っていた。同社のサービス対象に含まれていない道路や、アスファルトのない道路の清掃などである。
マルタ・スプリシー同市長(PT=労働者党)の市政一年目の二〇〇一年からサンパウロ市会計検査院(TCM)の年間会計検査報告書で、同課の都市清掃への監査に落ち度があることが指摘されていた。
同年四月、TCMに提出されたサンパウロ市の監査報告書はわずか十件のみ。同五月の報告書には、一カ所を集中的に監査しており、監査の基準がないことが伺える。
この事態を懸念したTCMは今年三月二十三日、LIMPURBに対し、「当方は(監査を怠っているため)、契約清掃会社が清掃サービスを万全に行っていると保証する資格がない」と厳しく指摘し、十五日以内にこの状況を説明するよう要求したが、LIMPURB側はノーコメント状態だ。
また、何も記入されていない同課の報告書がクリーバ社の従業員の手に渡った事実も判明。これは監査結果の捏造にも繋がりかねない厳禁行為だが、同課側は白紙の報告書がどうやって外部に持ち出されたのかいまだに説明していない。