5月22日(土)
サンパウロ市出身の東旺(本名=森田泰人マルシオ、玉ノ井部屋)が大相撲夏場所十三日目の二十一日、三段目で七戦全勝優勝をした。
日系二世の東旺は九四年、玉ノ井部屋に入門。その年の名古屋場所で一番出世し、次の東京場所は序の口で優勝決定戦まで残った。これまでの最高位は幕下目前の三段目上位。今場所で優勝したことで来場所は幕下に上がる可能性が大きい。
母親の泰江(五三)さんは「マルシオは五歳から柔道をやっていたが、十二歳になると日曜日毎にボン・レチーロ常設相撲場で稽古し始めた。のんびりとした性格だが辛抱強いところもあった」と喜びを語った。
出張中の父親の泰司(五六)は「驚いた。よくやった。よく十年も辛抱した」と話しているという。
「めったに電話をかけて来ないが、弟や妹とはメールでやり取りしているみたい」と語る泰江さん。「九五年に家族で玉ノ井部屋を訪ねた時に、親方や関取衆とちゃんこ鍋を食べたが、序二段だったマルシオは後ろに立って私たちに給仕しており、食事が喉に通らなかった。厳しい世界で十年も頑張っている息子の辛抱強さにびっくりです」。