5月21日(金)
【アゴーラ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十日】ブラジル各大州都圏の一般家庭の平均総所得は、一九九五年から昨年までに一八%減少していたことが十九日、ブラジル地理統計院(IBGE)が発表した二〇〇二―二〇〇三年度家計調査によって明らかになった。
昨年の一般家庭の平均総所得は千七百八十九レアル。ここでいう総所得には、現金およびすべての金融収入、または現金以外の収入(物々交換や寄付などで得た物質の価値を換算した金額)が含まれる。
平均総所得の振り分けは、仕事の収入が六二%、年金や生活補償金は一五%、現金以外の収入が一四・六%、その他の収入が六・六%、家賃が一・八%となっている。
同調査によって今回初めて、総所得が三千レアル以下の四千百万世帯(全体の八五%)で、平均総所得(千七百八十九レアル)よりも消費額(千七百七十八レアル)が高いことが明らかになった。
要するに、百世帯当たり八十五世帯で、現在の総所得では月々の公共料金や家賃などを支払うのもままならず、一カ月間のやり繰りが大変という状況だ。だが、貧困層家庭に焦点を絞ると、五一・五%がやり繰りすらできず、一カ月間生き延びるのが至難の業である現状が浮上する。
IBGEのジョゼ・アントニオ・Luterbach調査員は、一般家庭の家計の圧迫状態はかなりひどいものだとしており、「ブラジル人がどれほど欲求不満を抱えているかが分かるバロメーターである」と懸念している。
ブラジル人の出費状況を約三十年前のデータと比べてみると、現在のブラジル人の苦境がよく分かる。
一九七四~七五年は、出費の振り分けトップをしめていたのは食費(三三・九一%)だった。ところが、二〇〇二~〇三年では、食費の割合は二〇・七五%まで減少し、トップの座を家賃などの住居費(三五・五%)に奪われてしまっている。
実際、ブラジルの一般料理の食材である米、牛肉、フェイジョン(豆)の購入率も低下しており、一般家庭の四七%が実際に必要な食事量に達していないという結果も出ている。それだけ国民が貧しくなっていることが伺われる。
二〇〇二~〇三年で三位の交通費(一八・四四%)は、一九七四~七五年のパーセンテージより七・二一ポイントも上昇しており、四位の健康保険料や医薬品料などの健康管理費(六・四九%)、五位の教育費(四・〇八%)も、三十年前より比率が上がっている。
また、課税額は月に平均七十九・三一レアルであり、総所得の四・四六%に相当する。所得額別にみると、総所得が四百レアルまでの人は月に平均五・六一レアルだが、六千レアル以上の人は毎月七百八十一・三一レアルを費やしている。