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明治記念短歌大会で好成績=ブラジルの5人佳作

5月21日(金)

 明治記念綜合短歌大会の入選発表が、さきごろ行われた。ブラジルから五人が佳作に入った。献詠短歌総数は三千二首だった。ブラジル関係の五人の作品は、
移民たりし父の持て来し国語辞典いたましきまで手垢つきをり   伊藤 国子
道の辺で玉蜀黍を焼きてゐる歯並み真白い若い黒人
       上岡寿美子
鍋底の景気におはれ移り来てブラジルに根づきしさくら見て佇つ   上妻 泰子
移民船もう来ぬ波止場尋ねきて椰子の実の歌口誦さみけり     香山 和榮
今日限り他人名義となる土地の樹木を抱きて別れを惜しむ      武井  貢
 アルゼンチンの宮井節子さんの作品が特選歌十首のなかにはいった。
浴衣からはみでた大足草を踏み河内音頭は夜空ゆるがす      宮井 節子