5月19日(水)
十一月頃から、日本で三種類の新札(一万円、五千円、千円)の流通が始まるのに伴って、「それまでに現行札を交換しないと使えなくなる」という噂がコロニアの一部で流れているが、ニッケイ新聞社が紙幣を印刷している国立印刷局広報室に問い合わせたところ、「その後も使用可能」との明確な返事が届いた。
同印刷局からのEメールには、日本銀行券(お札)の発行元である日本銀行サイトの関連ページが参照されており、そこには「現在使われているお札は、新しいお札が発行された後も引き続き使うことができます」と明記してある。
新しく流通する紙幣は、◎一万円(表=現・福沢諭吉▽新・福沢諭吉、裏=雉▽鳳凰像)◎五千円(新渡戸稲造▽樋口一葉、富士山▽「燕子花図<尾形光琳>」)◎千円(夏目漱石▽野口英世、丹頂鶴▽富士山と桜)。多発する偽造紙幣に対応するために、新札は、角度を変えると色や模様がかわる「ホログラム」、傾けると数字などが現れる「潜像模様」などの最新技術が投入されたハイテク紙幣となる。
ブラジルでは、ハイパーインフレに苦しんだ九〇年代前半などに、数年おきに紙幣が変った経験を、国民みなが共有している。その都度、紙幣や硬貨が変ると交換期間以降は使用できなくなった。日本もそうに違いないという連想から、今回のような噂が生まれた模様。ちなみに、インフレの少ない日本では、現行貨幣はもちろん、一九五八年に発行された聖徳太子札でさえ、現在も使用可能。