5月15日(土)
高さ四メートルの塀に高圧電線を張り巡らせ、防弾ガラス入りの警備舎や監視カメラなどを設置し、完全防備と見えた現金輸送会社内に、一つ上手の強盗団が侵入、現金約八百八十一万五千レアルを盗んだ。事件は十一日未明、サンパウロ市西部ラッパ区で発生。強盗団は同社の裏にある一軒家を一年前から借りており、裏側の防犯対策が万全ではないことを突き止めた。強盗約十人は同社の屋根に通じる借家二階の台所の壁に一平方米の穴を開け、容易に同社の屋根に上った。そして経理課のある場所まで屋根の上を忍び歩きし、屋根に穴を開けて内部に侵入。同課にいた従業員約三十人を人質にとり、警備員三人を取り押さえた。四十分後、被害者らを金庫に閉じ込め、大金を盗んで正門から逃げたという。
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サンパウロ市麻薬捜査課は、経済学部学生でイベントプロモーターの男性(三九)をサンパウロ市南部ジャルジン・セレストレ区のマンションで逮捕し、スーパー大麻「シャーラ」、エクスタシー、麻薬などを自宅から押収した。同課はディスコ、バー、若者らのイベント会場などサンパウロ市の様々な場所で麻薬密売を取り締まる「ダンシング(踊り)作戦」を遂行中で、今回の逮捕・押収劇もその一幕。
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麻薬密売のボリビア人が六カ月間、ブラジルの麻薬組織によって拉致監禁されていることが携帯電話の盗聴から判明した。電話の会話によれば、人質はボリビア産コカイン五百キロの前金支払いとして解放する。期日までにコカインを納入しないと人質は殺害される。人質の拉致は、ミランドポリス刑務所に服役中の麻薬組織のボスが、携帯電話で指示していたことも判明した。