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電話基本料金は「不要」=下院委員会、廃止を決定=通話料金値上げの恐れも

5月14日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】下院消費者保護委員会は十二日、一般電話の基本料金を廃止する法案を可決した。ブラジル民主運動党(PMDB)のマルセーロ・テイシェイラ下院議員の提案した同法案が正式に法律として施行されるには、下院の三つの委員会と上下院本会議で可決され、ルーラ大統領の承認が必要とされる。
 電話部門の代表者らは、今回可決されたものの、同法案が施行に至る可能性は低いとみている。しかしながらサンパウロ証券取引所(BOVESPA)では同日、電話会社の株価が下落。ブラジル・テレコムは八%も暴落、テレマールは二・二七%下がっている。
 電信庁(ANATEL)は同法案に反対の姿勢を見せており、低所得層を対象とした低価格の基本料金設定を検討している。
 現在、一般電話の基本料金は州によって異なり、平均三十~三十五レアルとなっている。電話会社の総収益の約四〇%を占めており、昨年の大手電話会社三社(テレフォニカ、テレマール、ブラジル・テレコム)の総収益四百六十七億レアルのうち、月々の基本料金による利益は百八十七億レアルだった。
 ペドロ・ジャイメ・ジーレル・デ・アラウージョ電信庁長官は先週、「基本料金を廃止すれば、一般電話や公衆電話の通話料金を見直すことになり、料金値上げの可能性もある。それだけではない。週末や夜間の通話料は現在、四分間の通話料(電話一回分)しか請求していないが、そのようなサービスも無くなるだろう」と警告していた。
 下院消費者保護委員会の基本料金廃止法案の決議に出席した下院議員は計九人。うち八人が賛成票を入れた。同法案の執筆者のルイス・ビッテンクール下議(PMDB)は、一般電話会社が基本料金の請求を止めても破産することはないと断言し、電話会社ヴェスペルが基本料金なしのサービスを実施していることを例に挙げた。「通話料金は平等でなければならない」。
 一方、ブラジル一般電話サービス業者協会(ABRAFIX)のカルロス・デ・パイヴァ・ロッペス会長は、「一般電話会社は、どんな人に対しても通話サービスを供給する義務がある。それに対し、ヴェスペルは自分の顧客を選ぶことができる」と指摘している。
 唯一反対票を入れた労働者党(PT)のパウロ・ベルナルド下議は、「国民が基本料金の廃止を求めていることは十分理解しているが、今基本料金を廃止すれば、電話部門の混乱を招きかねず、結果的に消費者に負担がかかる恐れがある」と訴えている。