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マルフ元サンパウロ市長=スイス口座発覚=残高3億4千万ドル=本人は否定、党首謹慎求める

5月11日(火)

 【各伯字紙八日、九日、十日、ヴェージャ誌一八五三号】グローボTV局のニュース番組『ジョルナル・ナシオナル』は七日、公金横領などの容疑で捜査されているパウロ・マルフ元サンパウロ市長(PP=進歩党)が、スイスで銀行口座を開設していた証拠書類を報道した。このほかにも、マルフ氏の口座があるとみられている。
 グローボ局は番組で、マルフ氏のサインが記載された銀行の口座開設申請書を公表した。
 この口座は一九八五年七月五日、スイス・ジュネーブのシティバンク支店で開かれたもので、口座主はブルー・ダイアモンド社、口座の名義人はマルフ氏となっている。同社は一九九四年六月に、レッド・ルビー社と改名している。
 口座開設申請書によれば、マルフ氏は自分のサイン一つで口座の預金を自由に動かすことができるという。マルフ氏は同口座を一九九七年一月まで維持。その後、口座の預金はタックスヘイブンのジャージー島に移された。
 同口座の明細書によれば、一九九五年三月三十一日に約二億ドルが振り込まれており、同年六月二十日の残高明細には三億四千四百四十二万六千五百十五・四六ドルの預金があると記録されている。
 同島の裁判所命令で同口座の預金が凍結されたと二〇〇一年六月十日、フォーリャ紙は報道した。同口座の名義はマルフ氏の妻のシウヴィアさん、息子のフラーヴィオ・マルフ氏、息子の妻のジャッケリーネさんとなっている。
 この口座以外にも外国に銀行口座があるとした情報も報道された。一九八九年三月三日には、コンサルタント業者Gunther Woernle氏が、ジュネーブのシティバンク支店に、フラーヴィオ・マルフ氏名義の銀行口座の開設申請を受けたと報告。振り込まれた金額は三十七万五千ドルだった。
 七日夜、マルフ氏はフォーリャ紙の取材に対し、外国に銀行口座を開いたことはないと断言しており、今年度のサンパウロ市長選でPP候補予定の同氏の足を引っ張るために、ライバル政党が流したデマだと表明している。
 口座開設時の書類にサインしたことについては、「サインしたことなど覚えていない。十年前の話だから。自分のサインかどうか分からない」とあやふやな返答。だがその直後に、「第一、スイスに銀行口座はないと言っているのだ。あるはずのない口座を見つけた人には、その口座に振り込まれている預金すべてを寄付しよう。これがわたしからの挑戦状だ。サンパウロ市内の登記所でそれを証明する内容の書類を十一日か十二日に登録する」と挑発している。
 PP党首のペドロ・コレーア下院議員は、マルフ氏に謹慎を求め、党内での活動を一時禁止するかどうかを十二日午後二時から、ブラジリアのPP全国大会で決議する予定。また、旧パラナ州銀査察委員会(CPI)がマルフ氏の出頭を命じるだろうと、フォーリャ紙は報道している。