5月11日(火)
外国に銀行口座があることを否定してきたマルフ元サンパウロ市長の公金横領疑惑で、マスコミがすでに報道していた事項を紹介する。▼マルフ氏がサンパウロ市長に就任していた一九九〇年代半ば、アーグア・エスプライアーダ大通りの建設費を約三億五千万ドル水増しした▼水増しした費用の一部は第三者らを経由してニューヨークの複数の銀行口座に振り込まれた▼一九九七年、マルフ氏は二億ドルをスイスからジャージー島に移した。
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八日付東西南北で既報の漁船転覆事故で、十六時間泳いで海岸にたどり着いた船長は翌朝、行方不明者四人を救出するため、三人の同僚とともに再び海に乗り出した。そして事故現場から四十キロ北方で発砲スチロール板につかまり三十時間近く漂流していた乗組員一人を救助した。「みんな若いから、捜せば一人でも陸に帰せるはずだ」。低体温症で目をむくませながらの船長、執念が実った。
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サンパウロ市地下鉄の乗客は十八歳から三十四歳までの男性が五四%、高卒五一%、定職を持つ人六二%、中流階層六九%。二年毎に地下鉄公団が実施する調査で、乗客の横顔が明らかとなった。乗客の所得は二三%低下、一カ月に使う交通費は平均八十レアルで、乗客のほぼ半数が勤務先から地下鉄運賃の全額または一部を負担してもらっているという。
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ニューヨーク・タイムズは十日、ルーラ大統領は「酔いどれ」だからヘマばかりやっているのかも知れないと報道した。同大統領は、政治改革への並々ならぬ意欲を国民へ訴え支持を取り付けた。人前では禁煙し、俳優のように振る舞う同大統領への支持票は、好感と冷やかし半分だったという。大統領府は同報道が新聞の域を脱しており、名誉棄損罪で訴えると憤慨。