5月5日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】アメリカで中央銀行の役割を果たす連邦準備制度(FED)の政策決定機関である連邦準備制度理事会(FRB)が自国の政策金利を決定する前日の三日、ブラジルの金融市場は大いに揺れた。
カントリーリスクは五・七%上昇して七百一ポイントを記録。Cボンド(ブラジルの外債の一つ)は一・三六%下がって二〇〇三年九月以来の最低値〇・九〇五〇ドル(債券額面価格の九〇・五%)となった。ドルは一・六七%高の一ドル二・九八一レアル。Cボンド同様〇三年九月一日以来の高値相場で三日の幕を閉じた。
三日の時点では、市場専門家の多くは、FRBが現在の金利の年一%(過去四十六年間で最低)は据え置かれるとみていた。だが、就職市場の回復や将来のインフレ予防を目的とした利上げを図る可能性もあると指摘する声もあり、FRBの決断に対する国際投資家らの懸念が、ブラジルなど発展途上国の経済市場に影響した。
金融市場が動揺する中、ブラジル中央銀行(中銀)のエンリッケ・メイレーレス総裁は同日、「ブラジル経済は打たれ強い。たとえアメリカの政策金利が利上げされたとしても、その影響は小さなものとなるだろう」と市場をなだめる発言をした。
好調な輸出に支えられて、ブラジルの経常収支が二年連続で黒字を記録していることが、メイレーレス総裁が楽観的な見方を表明している理由。IMFや米国も金融市場が大げさに反応したとし、ブラジルの経済政策を称賛した。
ブラジルの主要貿易相手国の一つである中国の経済動向も、投資家らを懸念させている。中国は年九%以上の経済成長を見せており、加熱した成長を抑えるために今月中にも高金利政策を実施する見通しが強い。
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四日午後三時十七分時点の情報によれば、FRBは定例の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、懸念されていた政策金利を年一%に据え置いた。このパーセンテージは二〇〇三年六月から維持されている。FRBは八月に利上げをすると、市場専門家らは予測している。