5月5日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四月二十九日】国連開発計画(Pnud)の現地コーディネーター、ロペス氏によると、世界人口の二・八%を占めるブラジルで発生する殺人事件は、全世界の一一%を占め、〇二年には四万人が殺害されたという。
「平和な状況にある国では、これだけ多くの人間が殺されるのは珍しい。この数はイラク戦争の死者よりも多く、さらに増えつつある」とロペス氏は警鐘を鳴らした。ブラジルでは民間の安全対策に年七百億レアルが費やされると見積もられ、それは社会投資の多くが治安対策に消えていることを意味する。
ブラジル情報庁(Abin)のサントス氏は、密輸された武器の主な行き先はリオ市で、武器の八〇%はドゥトラ道を中心とした陸路でリオ市に入るが、空路や海路経由もますます利用されていると報告した。
一方、ユネスコ(国連文化・化学・教育機関)が五大都市と連邦直轄区で行った聞き取り調査によると、ブラジルの公立学校は生徒が危険で不安を感じる場所になりつつある。八三・四%の生徒が学校に暴力事件が、六九・四%の生徒が盗難があると答え、学校で折畳式小型ナイフを見た生徒は二一・七%、ナイフは一三%、小型銃は一二・一%に上っている。
「学校には沈黙の掟があり、生徒や先生も復讐を恐れて暴力事件を無視する傾向があり、それが暴力事件を助長している」と調査担当者は評価した。