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飲食店9軒を処分=新条例で立入検査=厨房で〝おしゃべり禁止〟!?  サンパウロ市

4月28日(水)

  【アゴーラ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十七日】サンパウロ市衛生監督局は二十六日、同日施行された市条例二五三五条に基づき、市内のレストラン、シュラスコ料理店、軽食店、パン屋など二十カ所で立入検査を実施し、うち二カ所を閉鎖、七カ所に罰金を科した。この市条例は、市内の食品管理に関する新しい規制事項を記したものである。
 当局は同日、サンパウロ市中心部や南部モエーマ区、ヴィラ・マリアーナ区、ボイ・ミリン区、カンポ・リンポ区、サント・アマーロ区、東部モッカ区で、取締官十六人を送り立入検査を実行した。その他の地区は二十七日に実施される。
 閉鎖されたのは中心部サンタ・セシーリア区リオ・ブランコ大通りのシュラスコ料理店と、南部ヴィラ・マリアーナ区サンタ・クルス通りのパン屋の二カ所。総合的に衛生状態が悪かったことが処罰対象になった原因だという。シュラスコ料理店では、ネズミの糞尿が発見されたほか、生の肉が別の食品と接触する形で保管されていた。
 新しい市条例は、衛生管理に関するサンパウロ州条例とほとんど同じだが、水の質や生ゴミの管理、食品分野専門の技術者の雇用など、新しい規制内容を含んでいる。違反内容によっては、百レアルから五十万レアルまでの罰金が科せられる。
 特に従業員らの身体検査に厳しく、出勤前の入浴や歯磨きを義務付け、爪に汚れがあるか、爪を伸ばしすぎて汚れがたまりやすくなっていないかなども細かくチェックする。
 食品と直接接触する従業員らは、指輪やピアス、イヤリング、ネックレス、腕輪などの装飾品の使用を禁じられている。また、食品の近くでのおしゃべりも禁止。口笛を吹いたり、歌を歌ったり、咳をしたりするのももってのほかである。
 レストラン『D・O・M(頭文字のみ掲載)』の店主でシェフのアレックス・アタラさんは、「この市条例の意向は非常に良いが、説明不足だと思う」と指摘。「髭剃りが義務付けられているが、どの位が長い髭だとみなされるのか? 髭を毎日そらなければならないのか、それとも三、四日置きの髭剃りで十分なのか?」と疑問を投げ付けた。
 アタラさんが最も不適当だとするのは、つばによる食品汚染の予防対策とされる「おしゃべり禁止」の事項である。「当店の従業員は十八人おり、コミュニケーションをとることは不可欠である。現実的には実行不可能な事項ではないか」。