4月28日(水)
ブラジル日本文化協会(上原幸啓会長)とブラジル農業拓殖協同組合中央会(原林平会長)は『夢の百姓、「がんこ村」社長横森正樹氏講演会』を、二十八日から五月九日までサンパウロ、第一アリアンサ、イグアスなど九ヵ所で共催する。
横森さんは土作りを原点に、革新的な流通で農業を行なう長野県の百姓。昨年、文協で行なった講演会が大好評だったため、今回は吉岡黎明文協副会長が中心となって日程調整やマイクロバスの手配などをし、各地での講演を実現させる。演題は「生産者から見たわが国の農業問題」で、現在の農業経営、土作り、流通改革、これからの日本農業などについて話す。
横森さんは「今回は自分の体験の中の土作りを主に話します。私は、世界は一つだと考えています。地域の考えを学ぶことが私自身の勉強にもなります」と話す。宮坂四郎農学博士も「大学の先生の講演を聞いても研究発表などが多くすぐには農家の役に立たない場合が多いが、横森先生の話は実践的で本当にためになる。ブラジルの若い人にも聞いてもらって農業を活性化させたい」と推薦する。
各会場では横森さんの著作『夢の百姓「正しい野菜づくり」で大儲けした男』(白日社)も販売する。
また、今回は横森アグノ夫人と宮坂数子栄養学士を講師に迎えて「日伯大豆料理講習会」も併せて開催する。健康食品ブームで大豆料理が評判を呼んでいる今、日伯の大豆料理を紹介。講習会第一部では、甘味噌など日本の昔懐かしい大豆料理や珍しい大豆料理を横森夫人が、第二部では大豆のストロガノフなどブラジル風大豆料理を宮坂さんが教える。「奥さんの理解が無ければ農業は成り立たないんです」と横森さん。ご婦人の参加も呼び掛ける。
横森さんは「講演会の依頼に来る人来る人断った事が無い。呼ばれたらどこへでも行きます」という言葉の通り、今回も渡航費用を自分で負担して来伯。「自分や息子が海外で研修を受けた恩返しです」と笑顔を見せる。
「日本の農家は自分に負けている。最初から気持ちが負けてしまっていたら商売はそこで終わり。農業は楽しいんです。こんなに楽しくて儲かる商売は他に無いと思って努力しなきゃ」と力をこめる横森さんは、昭和十五年長野県生まれ。
二十二歳の時三年間アメリカで農業研修を受ける。昭和五十年より専業農家となり、平成十二年(株)信州がんこ村設立。炭と木酢に出会って農業に対する考え方や自分の人生が百八十度変わる。スーパーに野菜を畑まで取りにきてもらう「畑渡し」という独特の流通を行なっていることで有名。(株)がんこ村取締役。六十三歳。
またブラジル農協婦人部連合会(ADESC)は、五月八日午後四時から文協貴賓室で、横森さんとの懇談会を開く。一般の参加も可。
講演会の日程に若干の変更あり。五月四日カストロ講演会、五日イグアス移住地講演会(横森氏)、六日イグアス移住地講演会(婦人向け料理講演)。九日モジ・ダス・クルーゼス講演会は午前九時からモジ文協(カンポスサーレス街二三〇)で開く。
全ての講演会にポルトガル語翻訳がつく。電話連絡先011・3208・1755(文協、吉岡・松尾)、011・5572・9157(農拓協、長田)、011・5533・2022(吉岡自宅)、011・3062・0319(宮坂自宅)、011・9953・5177(吉岡携帯)
詳細の問い合わせは各地の文協へ。
尚、横森正樹氏は、十一月頃にも来伯予定。講演会を希望する各地域の皆さんは、吉岡文協副会長までご連絡下さい。