4月27日(火)
サンパウロ州ジャカレイ市にあるコチア農業学校で、毎週土曜日に実施されている成人を対象とした農業研修が好評だ。指導にあたっているのは菅原エドワルド教官(二世、サンパウロ大学農学部卒)を中心とした技術者グループ。受講対象者は二十歳後半から五十歳代までの男女で、定員は二十五名。コース期間は二年半と長いが、「目的意識が明確なため、非常に真面目で、よほどの事情がないがぎり脱落者や欠席者がおりません。私たちも真剣勝負です」とはエドワルド教官の弁である。
ジャカレイ市から北に約二百二十キロ離れているAreias市の農業部長をしているアジュソンさん(四五)は、「今年の九月で卒業しますが、一回も休みませんでした。重要な業務である農業普及の成果を高めるためには、自分自身が実技の経験を持つ必要性を痛感してこのコースに参加しました。とても充実しています」と評価。同じ沿線にあるGuaratingueta市からアジュソンさんと一緒にコチア農業学校に来ているというアレシャンドレさん(三二)は、「私はドイツ系の農協に働いています。親父から牧場の経営を受け継ぐことになったのですが、自分で農業をやったことがありません。いま一生懸命勉強しています。私も九月でこのコースを卒業しますが、今度は実践に取り組むのが楽しみです」と抱負を述べている。
Cacapaba市に住むエリザペッチさんは銀行を定年退職してコースに入学した。「広い土地を持っているので、第二の人生を土と共に過ごしたい。(銀行で)おカネを数えるだけの人生から、自然の中で何かを生み出す人生への私自身の大転換です。私のような年の者でも学べるコースがあると聞いて参加したの。まだ始まったばかりだけど、同世代の仲間もいて楽しいわ」と娘に若返ったような明るい表情だ。
若い農業後継者だけでなく、社会で活躍して中年や実年にも門戸を解放して評判を得ているコチア農業学校のもう一つの顔も全開中だ。電話Jacarei,SP(0xx12)3956-2362。