4月24日(土)
ポルトガルで今、ブラジル人の芸能人が大人気だ。数多くの俳優が演劇で活躍し、コマーシャルに起用される芸能人も少なくない。ラジオにはブラジル人歌手の音楽が流れ、5月には「ロック・イン・リオ・リスボン」というブラジル人歌手十人を集める大イベントも開催される。ポルトガルのメディアから引っ張りだこになるブラジルの芸能人ら。数多くのファンや、支払いがユーロであることなどが、これら芸能人に大きな夢を抱かせている。
1977年にグローボTV局のドラマ『ガブリエーラ』がポルトガルで放映されて以来、ブラジルのテレビ局はこぞってポルトガルのドラマ市場へ進出を始めた。
特に、グローボ局は数多くのドラマをポルトガルへ輸出してきた。ポルトガルのテレビ局『SIC』は1990年代初め、総予算の15%をグローボ局のドラマの輸入に費やし、数年後にはポルトガルで最も視聴率の高いテレビ局となった。ライバルテレビ局『TVI』などの出現で、最近SIC局はトップ視聴率を維持できなくなったが。
現在ポルトガルで放映されているグローボ系のドラマは8つ。ブラジルで午後6時台に放映されている『ショコラッテ・コン・ピメンタ(唐辛子味のチョコレート)』が大人気。ブラジルよりも1カ月ほど遅れて放映されている。
2000年頃から、リスボンのイベント企画会社『プラーノ6』はブラジル人への人気に注目し、サンパウロやリオの演劇をポルトガルで公演している。
最初にポルトガルで上演された演劇は女優レジーナ・ドゥアルテ主演の『オンラ(名誉)』。公演は大成功。以来同社の共同経営者アーナ・ランジェルさんは年に2回来伯し、演劇を数幕鑑賞して、ポルトガルでも受け入れられる演劇を探している。理想の演劇を見つけると、製作側と交渉し、ポルトガルで上演させるという。
「地方をテーマにしたものや、政治家を批判するギャグを連発する演劇はポルトガルでは通用しない。ポルトガル人はブラジル人のジョークが通じないのよ」と、アーナさんは説明する。
昨年11月には、俳優アントニオ・ファグンデスの『セッテ・ミヌートス』がリスボンで4週間、ポルトで3週間にわたって公演された。いつも満員で、観客は2万人に達した。
女優ヴェーラ・フィッシャーは、リスボンでヘアケア製品の宣伝に出演。二枚目俳優としてポルトガルの女性に人気のレイナウド・ジアネッキーニも、スポーツ製品のイメージモデルになり、5万ユーロ(18万レアル)の報酬を得ている。
音楽方面では、アドリアーナ・カウカニョットとオス・トリバリスタスが活動の場を広げており、彼らの曲はポルトガルのラジオでよくリクエストされている。 (ヴェージャ誌3月24日)