グアタパラ文協の広報紙『グアタパラ新聞』(月刊、三百五十号)で二つの関連記事を見つけた。余計なことかも知れないが、同文協会員の心中(しんちゅう)を察してみた▼記事の一つは「日本移民百年祭祭典協会に年会費六百レアイス支払う」、もう一つは「グアタパラのブラジル日本移民百周年記念事業案件却下」。短絡すると、同文協は、祭典協会の会員の義務として会費を納入した。ところが、協会に提出した「移民発祥の地の施設保存」案は承認されなかった、ということだ▼案を出したほかの団体も、同じような〃体験〃をしたかもしれない。組織に加入すればこういうことは起こり得る▼却下された案は、さきにこの欄でも紹介したとおり、笠戸丸移民たちが配耕された頃からあった農場の歴史的な施設が老朽し、放置されているので、百年祭を機に修復保存をしたい、というものだった▼祭典協会の会員であるグアタパラ文協の不満は、協会の臨時総会で、案の詳しい説明を聴いてもらえなかったことだ。広報紙は、案却下を会員に報告したあと「資金調達の目処(めど)のない百年祭記念事業(決議された日伯総合センター建設をさす)に、地方が協力してくれるか、心配されるところである」と書いた▼移民発祥の地の施設保存は、文協独自で、各方面の協力を得て実行することを部内で再確認した。ほかの地方文協も、やる気のあるところなら、グアタパラのように、独自色を強めて行くだろう。 (神)
04/04/23