4月15日(木)
七九年から日系コロニア向けラジオ番組を制作してきたラジオ日系が、テレビ業界に参入する。十四日、サンパウロ市内のホテルで記者会見した宮城パウロ社長が構想を明かした。宮城社長は「日本文化や日系社会の出来事などを中心に伝える番組を作りたい」とし、有料ケーブルテレビTVA一八チャンネルで、来週二十二日から放送を開始すると発表した。サンパウロ市以外ではモジ・ダス・クルーゼス市のTVモジ九六チャンネルで視聴可能。五月からはロンドリーナ、マリンガ、ウムアラマの各市でも放送を予定しているという。
番組は毎週木曜日、午後十二時半にスタート。放送時間は三十分間となる。
宮城社長は「番組内容はコメディー、クイズや視聴者参加のお笑いなどではない。日本移民がブラジルに与えた影響、日本文化の普及、移民の回想録などを考えている。社会貢献が目的だ」などと、番組に対する抱負を述べた。
ラジオ同様、パウロさんがポルトガル語、瀬名波美恵子さんが日本語を担当、番組を進行する。主な内容として▽移民百周年▽ボン・アペチテ▽ジャパン・ヴィデオ・トピックス▽もっと長生きを▽スポーツ・ヴィデオ▽日系社会の出来事▽ヤング・テレビ日系ー――などを予定する。
宮城社長はまた、「テレビは一分の制作に平均一時間かかり、時間のやりくりが大変。スポンサー捜しにも苦労したがトヨタ自動車、ブラデスコ銀行、スダメリス銀行、サクラ醤油、サンスイが了解してくれた」と語った。
瀬名波さんは「非日系の視聴者が四〇から五〇%と見込んでいる。より多くの人に日本や日系コミュニティを知ってもらいたい」と説明。「よく働くスタッフに恵まれているので、よい番組ができる自信はある」と自信を見せた。
番組スタッフ十五人をまとめるコーディネーターの横地純治さんは「スタジオ以外での制作経費は高くつくが、積極的に取り入れていく」「編集は土曜日にパウリスタ通りのカナウ・デ・サンパウロのスタジオで。ラジオ番組は今まで通りジャバクアラ区のスタジオでやる。かけもち忙しくなる」と語っていた。
編集主任のワタナベ・ネルソンさんは「今までラジオ番組制作に豊富な経験がある。放送用の収録もいい出来栄えで、不安はない」と言い切った。
木曜日の通常放送のほか、土曜日午後二時半から再放送がある。TVモジでは火曜日、木曜日の午後十時からの放送。
【ラジオ日系】
インプレンサFM102・5MHZ放送局から月曜、水曜、木曜の午後十時から同十二時までの二時間番組を制作。演歌や日本のポップミュージック、日本、コロニアのニュース、日系著名人へのインタビュー・コーナーなどがあり、三十代から六十代が主な視聴者。同ラジオの推定では日系が七十%ほどで五万人ぐらいのファンが聞いている。問い合わせ電話(011)5011・2905、5016・2299.Eメールはradionikkey@terra.com.br。