4月13日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】検察庁は十日、連邦教育基金(Fundef)の七五%が横領されていると発表した。同基金は〇四年、二百八十七億レアルの予算割り当てを受けたが四分の三は、破廉恥政治家や有名無実の業者らの水増し請求や不正入札による横流しが行われていると検察庁は報告した。地方選に向け選挙資金捻出のために、不正活動が今後さらに活発化すると検察庁はみている。
連邦教育基金が本来の目的を達成しているのは、二五%に過ぎないと検察庁が報告した。予算の二百八十七億レアルは隣国パラグアイの国内総生産(GDP)に匹敵し、庶民住宅なら七十万戸が建ち、また二百八十万の教室を建築できる。
検察庁の捜査では同基金が、マフィアや全国五千五百六十一郡に根を張る悪徳政治家とそれに群がる幽霊企業によって山分けされているという。手口は末端取引での水増し請求と捏造仕様書で、年々計画的に横流しが行われていた。
バイア州フォルモーゾ・ド・リオプレット市では、小学校五校の修築で五万レアルを費やしたところ、三十六万八千九百レアルが請求された。連邦教育基金を横流しするための犯罪組織を構築している地方都市が、多数ある。生徒数の水増しや、偽造伝票の発行などは枚挙にいとまがない。
地方選に向けた資金捻出の方法として、同基金を食い物にする手口の露骨さが度を越えている。連邦警察の国家資産管理局(CGU)は不正行為が広範囲にわたり、CGUの現スタッフでは取り締まりに不十分で犯罪組織に取り込まれているふしもあると述べた。
バストス法相は、政府資金横流しで格好の餌食は同教育基金の他に、国道建設基金(DNIT)もあると述べた。同教育基金に関する不正通告は、九九年から二千件受理された。教育省は監督機関を持たないためCGUや検察庁、各州の会計検査院に捜査を依頼。
検察庁の報告第一号では地方都市が裏金会計を設けて、不正資金の蓄積を行っているとした。市長三十四人がすでに、市長の権限剥奪容疑で拘束されている。
各機関の捜査報告によれば、新政権による一連の改革はぬかくぎになっている。
地方都市の不正行為を監督機関に通告した人々は、生命の危険にさらされている。アラゴアス州サトゥーバ市で教鞭を執る通告者の一人、パウロ・バンデラ氏は何者かに拉致され、拷問のうえ遺体をバラバラにされた。同市のモラエス市長は、同事件の仕掛け人として疑惑が持たれている。
CGUは、同教育基金を受領した全都市の会計検査を行った。疑惑の二百八十一都市の九〇%は、横領罪が立件された。バイア州マリャダ・デ・ペドラス市が三年間、同基金取得のため提出した全伝票は一〇〇%捏造であった。他に同市は、二百九人の幽霊教師に給料を払っていた。疑惑州のトップは、バイア州とトカンチンス州となっている。