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景気回復の見通しつく=サンパウロ州工連調査で=設備投資再開の動き=けん引役は輸出

4月8日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】サンパウロ州工業連盟(FIESP)は六日、景気回復の見通しが好転し、慎重ではあるが、設備投資再開の動きが業界に見られると発表した。FIESPの調査によれば、工業の七十二部門で三月に設備投資を行うと回答した企業家が八九%、十二月の八五%を上回ったとしている。しかし、事業拡張のため長期投資を行うと回答した企業家は、五八%から三四%へ減少している。

 サンパウロ州工業界は、ようやく景気回復の手応えを感じたようだ。これまで企業家を覆っていた閉塞感は、払拭された。FIESPの分析によれば、ジニス氏不祥事に始まった二月の政治危機は、産業界に何ら影響を及ぼしていない。企業家の関心は、足踏み状態の基本金利引き下げと伸びない第一・四半期の国内需要にある。
 輸出の好調な伸展が、工業界のけん引となって設備投資の動きへつながった。この経済環境が金利引き下げへの期待感となって明るい見通しを生み、インフラ整備への投資も活性化すると予想されている。
 FIESPのインフレに関する調査では、一、二月の基本金利据え置きは、理解できないと企業家は不満を抱いている。同時期の工業製品の価格調整は、インフレ要因にならないと企業家は見ている。
 十二日の通貨審議会(COPOM)では、〇・七五%以上の基本金利(SELIC)引き下げを実施して欲しいと産業界が要望。それ以下の場合は、強硬な抗議運動を行うようだ。
 新規投資は新製品開発に四八%、人材育成に四四%、増産が二九%、機械設備が二八%となっている。設備投資が目立つのは製薬業界で、エウロファルマがイタペヴィ市に、四年計画で一億レアルを投じて新工場を建設。大型家電メーカーのコンチネンタルも三千万レアルを投じ、斬新なモデルの新製品を生産するための工場を建設する。
 工業界は消費者需要の伸びを懸念しているという回答が七五%。続いて金融コストが四四%、運転資金の不足が四三%であった。〇四年の需要の伸びを楽観視していると回答した企業は、二月の一二%から三月には八%に減少。生産の増加は、六五%から六三%に減少。一方、経済は安定すると回答した企業は、三二%から三七%へ増加した。
 自動車業界はメルセデス・ベンツが増産を発表、百七十五人の従業員を新規に募集した。同社は一、二月にトラックやバス部門で五百五十五人を採用している。GMは九日、サンジョゼ。ドス・カンポス工場に四百五十人を募集する。GMサンカエターノ工場も四月、期間労働者を募集する。
 自動車業界は二〇〇〇年、九万八千六百人が就労していた。大量解雇により翌年、九万一千九百人に整理。さらに〇三年、九万八百人で七〇年代の水準だった。
 いまトラックの輸出が活気づいている。トラック用エンジンの部品工場も忙しい。米国からエンジンの大量注文が入った。工員らは土日や休日も就労している。トラクター農機具業界は、一、二月に千百六人を新規に採用した。三月も引き続き、増員している。