4月8日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】今年一月二十四日から七十三匹の動物が死亡したサンパウロ動物園の動物変死事件で、警察の捜査の結果、変死は同園内で暗躍していた希少鳥類密売組織や卵泥棒の仕業であることが明らかになった。同園の幹部を失脚させて不正行為を続行するために、密売人らが動物を毒殺していた。
希少鳥類密売組織のリーダーは動物園関係者ではないが、メンバー十人はすべて同園の従業員であり、うち六人は直接、動物に毒を盛っていた。
組織の存在が動物園側に知られた時、同組織のリーダーは哺乳類の動物を毒殺するようメンバーに命令したと、市警特別業務グループ(GOE)のクローヴィス・F・アラウージョ警部は述べている。
警察によると、希少鳥類密売組織に毒物を提供した人間が、従業員らに毒物の扱い方を説明した。例えば、ライオンやトラなどのネコ科の動物は、新陳代謝が他種の動物よりも早いため、犯人が檻を出る前に毒死する可能性があるので、これらの動物には毒を盛らないようにとの指導を受けたという。
アラウージョ警部によると、希少鳥類密売組織のリーダーのほかに、希少鳥類専門の大密売組織の二人も関わっており、同組織は想像以上の大金を得ているという。
捜査によって、動物園内で産まれた希少鳥類の卵も複数盗まれていたことが判明している。
動物毒殺の容疑者はまだ働いているが、飼育係としてではなく、別の仕事を任されている。希少鳥類密売組織のリーダーは警察に見張られており、逮捕令状が発行され次第、全員逮捕するとアラウージョ警部は言明している。
一月二十四日から死亡した動物は計百三十匹。うち七十三匹の毒殺が確認されている。