ホーム | 日系社会ニュース | 日文研の管理移管へ=11月、日文連からUSPへ

日文研の管理移管へ=11月、日文連からUSPへ

4月7日(水)

 サンパウロ大学日本文化研究所(=Centro de Estudos Japoneses da USP、織田順子所長)の維持管理主体が今年十一月から、日伯文化連盟(=Alianca、槙尾照夫会長)から同大学に移管する見通しになった。
 同研究所はエルネスト・ガイゼル元大統領と田中角栄元首相が取り交わした日伯共同事業のひとつとして七四年十一月に建設工事に着手、七六年四月に竣工した。
 サンパウロ大学が構内に建設用地三千五百平方メートルを無償提供。経団連が一億二千万円の資金援助をしたのをはじめ、国際交流基金、万博基金、日系コロニアから計八百二十万クルゼイロが集められた。
 維持管理は三十年間、日文連が行うという取り決めがなされた。期間が満了した時点で両者に異存が無ければ、契約はさらに三十年更新されることになっていた。大学側より、同研究所を自身の建物として使用したいという申し出があった。
 日文連は毎月、光熱費や水道代などにおよそ二千五百レアルを支出している。自身は、ほとんど同研究所を利用していない。組織自体が厳しい運営を迫れる中で、経費の捻出に苦慮。両者の利害は一致した。
 交渉の具体的内容は今後、煮詰めていく模様だ。大学側は既に、今年一月から維持管理費を支払っているという。今後、日本語・日本文化以外の研究者たちが入居してくる可能性もある。日本文化研究所の名前はそのまま、残される。