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正副大統領は同床異夢=経済政策めぐり離反=ルーラ氏、政治危機を否定=アレンカール氏 無責任と批判

3月31日(水 )

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十日】ルーラ大統領は二十九日、サンカエターノ市のGM工場を訪れ、「大統領は神ならぬ身、奇跡を起こすことを期待するな」と警告し、政治不在批判に言及した。政治不安は存在しないし危険な経済政策の転換もない。期待に添う経済発展はないが、経済の成長に信頼を寄せるよう国民に要請した。一方、販売協会(ADVB)の会議に出席したアレンカール副大統領は、政府の財政政策を誤りであると表明した。

 正副大統領は経済政策をめぐって、大きく離反していることで同床異夢を露見した。ジニス氏不祥事の発覚以来、政治不在や経済停滞と批判される中、大統領は政治危機の存在を否定した。危機にあるのは、優勝しないサッカーのコリンチアンスだという。
 経済政策も通貨政策も慎重を期し、政府と中央銀行は抜本的変更をしないと述べた。ブラジルは国家財政が虚弱体質であり、まだ経済政策を変更できるような状態にないとした。国民はこの経済的状況を認識すべきだと警告した。現行政策でブラジルは経済成長が可能であると信じるよう、大統領は要望した。
 アレンカール副大統領は、通貨政策を無責任政策だと批判した。国内総生産(GDP)に対する四・二五%の財政黒字目標では、現行の高金利政策でパンク状態にある国家財政の収支を締めるのには不可能だという。世界水準の六倍という高金利で、基礎収支を黒字にできる筈がないとした。
 通貨政策は経済発展を最優先に考慮すべきで、結果として金利もインフレも解決されるべきものと、副大統領は持論を語った。通貨政策を基本金利とインフレ率だけで割り出すのは、無謀だという。
 中銀のメイレーレス総裁は副大統領の批判に反論し、現在の条件下で経済が発展できないことはないとした。ブラジル経済は、海外の経済危機の影響を受けるという固定観念が長年にわたり染み込んでいる。この既成観念を打破すれば、ブラジルは独自の体力で国家経済を盛り上げることができるのだと語った。