3月30日(火)
サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)は二十七日午後一時三十分から、サンパウロ市リベルダーデ区の文協新館展示室で定期総会を開いた。〇三年度会計、事業報告、〇四年度予算、事業計画案を審議。議題はすべて、とんとん拍子で承認された。今年度予算は一億一千二百四万二百レアル(四十二億二千百万円)。神内総合医療検査センターの完成が年内の最大事業になっている。創立四十五周年の記念式典が総会後引き続いて行われ、関係者たちは今後も、福祉・医療に全力投球していくことを誓い合った。
出席者は委任状を含めて四百一人。野村丈吾元連邦下院議員、瀬賀仁領事、吉岡黎明文協副会長などの来賓が訪れた。
援協の昨年度取り扱い実績は全事業所合計で百二十七万二千六百八十五件。昨年より一〇・九%増加した。特別養護老人施設、「あけぼのホーム」の開所や日系高齢者実態調査の実施など、内容の濃い一年だった。
菊地義治第五副会長は「日本移民百周年を控えて、当会は内部の充実、基礎固めを記念事業とし、人材育成、堅実な発展と事業の継続、日本との交流を活発化することを確認した」と述べた。
〇四年度事業計画案について、尾西貞夫第三副会長が発表。コミュニティー・小センターの開設(福祉部)、室内家具の更新(サントス厚生ホーム)、セミ掘抜き井戸の掘削(やすらぎホーム)、小児科集中治療室の設置(友好病院)などが挙げられた。
今年度の予算は、昨年比約二三%増しの一億一千二百四万二百レアルを計上した。うち、日伯友好病院が一億四百七万二千七百レアルで、九二%を占める。
会場から、議題について特に、疑問の声は上がらず、一枚岩になった組織の団結力を見せつけた。
32人の有志で〝出発〟=総会後、45周年を祝う
休憩を挟んだ後、創立四十五周年記念式典が行われた。
和井会長がまず、あいさつ。「援協は、三十二人の有志によってつくられた。最初は小さな机から始まったが、今は九つの事業所を持ち、一万人以上の従業員を抱える。日系社会の福祉医療にますます努力しなければならない」と決意を新たにした。
先没者追悼に続いて、和順会、アマゾニア日伯援護協会、小林パウロ連邦下院議員などから届いた祝電が披露された。
この後、功労者表彰に移った。山下忠男事務局長が創立会員(一人)、特別功労者(十一人)、永年勤続役員(三人)、役員功労者(十六人)、地区委員功労者(十六人)を読み上げ、それぞれの経歴を紹介。各分野の代表者が表彰状と記念品を受け取った。
森口忠義第四副会長が受賞者を代表して「一人一人が力のある限り、与えられた使命を果たしたい」と謝意を示した。
最後に、左近寿一救済会長、ウイリアム・ウー・サンパウロ市議、野村元連邦下院議員がそれぞれ、祝辞を述べた。
祝宴では、和井会長、原沢和夫前会長、左近会長、野村元連邦下院議の四人が記念ケーキにナイフを入れた。