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異例づくしの総会=県連運営 波乱の予感

3月30日(火)

  【一部既報済み】二十六日に開かれたブラジル日本都道府県人会連合会の定期総会。中沢宏一会長の単一シャッパが投票の結果、信任され二期目も続投が決まった。ただ、賛成票二十三に対し、反対票が二十一とごく僅差の信任だけに、今後の県連運営にも大きな影響を与えそうだ。また、会長選出の過程でも、弁護士を同伴させ、自らの見解を主張しようとした中沢会長の異例の行動に対し、選挙管理委員会が憤慨。出席した会長らに弁護士の同伴を認めるかどうかの採択を仰ぐなど「異例づくし」の定期総会となった。
 フェスチヴァル・ド・ジャポン(日本祭り)などの新年度事業計画案や約十一万レアルの新年度予算が承認された後、新規役員の選出に議題が移された。
 冒頭、羽田宗義委員長は「前回の代表者会議で説明した通り、シャッパの信任投票をしてもらう」と明言。二十三日に中沢会長が選管委宛に提出した「単一シャッパの場合、一票でも賛成されれば承認されるべき」との見解を一蹴した。
 また、中沢会長が県連の総会では前代未聞となる自らの弁護士を同伴させたことについても、「噂は聞いていたがそんなバカなことはしないだろう」「我々を舐めきっている」と憤慨した。
 羽田委員長は信任投票に入る前に、まず弁護士を立ち会わせるかどうかを出席者に問う決議を求めた。「見張りをつけて選挙をするか、どうか皆さんが決めて下さい」との羽田委員長の
呼び掛けに対し、圧倒多数で弁護士の退場が決まり、中沢会長が自ら、弁護士を会場外に導き出した。
 また、選挙管理委員会五人のうち、投票権を持つ顧問が三人含まれていたことから、選管委では顧問らが投票すべきかどうかについても問題提起。賛否両論が出されたが、最終的には「顧問は投票権を有する」との定款に従い、顧問も投票することに決まった。
 シャッパの信任投票は、○×式で行われ、有効投票数は顧問と会長、委任状を含んで総数は四十五票。このうち信任票が二十三、不信任が二十一、無効となる白票が一となり、僅差で中沢会長が再選、十四人の新執行部が決定した。
 続いて行われた正監事、補監事の選出ではすでに繰り上げが決まっていた高柳清群馬県人会長に加え、昨年までの副会長だった吉加江ネルソン宮崎県人会長、林亮アンドレー愛知県人会長が選ばれた。また、補監事には加藤恵久鳥取県人会長、大西博己広島県人会長、福田康雄熊本県人会長が決まった。