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在日子弟に教科書贈与=伯教育省がシンポで発表

3月25日(木)

  ブラジル教育省(MEC)は在日ブラジル人コミュニティ向けに、教科書の無償贈与と、スープレチーヴォ(卒業資格検定試験)を無料化することを発表した。二十日付けインターナショナル・プレス紙が報じている。
 日本外務省主催の在日ブラジル人に関するシンポジウムが十日に東京で行なわれた。招待を受けた教育省国際担当役員のヴィットーリア・クレアヴェール大使は、「今年から在日ブラジル人にはスープレチーヴォを無料に」、「教育省が購入する教科書の一パーセントを、外国にある教育機関とブラジル人学校に贈与する」と発表した。
 クレアヴェール大使は「教育省は毎年一億一千万冊の教科書を購入し、十八万の公立学校に配っている。一パーセントでも百万冊を越し、大きな意味を持つ」と述べた。また外国にあるコミュニティで、教科書の贈与を希望する教育機関は、現地大使館を通してブラジル人学生数と本贈与で恩恵を受ける人数を知らせてほしい、と説明した。
 シンポジウムでは、参加したブラジル人や日本人の大半が「ブラジル人生徒の登校拒否」を問題に上げた。彼女と手塚和彰千葉大教授の講演の後、外国人の教育に対して日本人側からの取組みの現状が報告された。またブラジル人が多く住む静岡県浜松市、群馬県大泉町、愛知県豊田市の代表者らが外国人を対象にした社会活動の経験を話し合った。
 吉岡黎明文協第一副会長は、登校拒否の問題はブラジル側にも解決の糸口はあるとし、「日本領事館は、査証を発行する前に、日本に連れて行く子供の教育計画を親に提出させなければならない」と述べ、日本でビザ延長する時には「子供の教育状態を入局管理局で把握するようにする」との自説を紹介した。