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牧畜融合させる農業=パラナ州南西部の行き方

3月24日(水)

 最近の『パラナ新聞』によれば、パラナ州の農業に新しい動きがある。農業と牧畜を融合させる営農だ。
 同州南部および南西部の小麦生産は一種の博打であり、十年のうち収益が上がるのは二~三年で、あとは収支とんとんか欠損だという。
 そこで現在提唱されているのが農業と牧畜の融合策。農場の一部を牧畜用に永久草地とし、夏場はそこに牛を囲っておく。夏作の大豆の収穫を終えたらただちに牧草(アゼヴェン、アヴェイア、その他)を蒔き付け、一定の高さに成長したところで牛を放牧する。この際、永久草地を移動させることも可能であり、また移動式の囲い、たとえば電柵などの使用により、囲いを移動させるのも容易である。
 大豆の蒔きつけ時には、また新しい草地に牛を囲えばよく、また柵の移動をうまく計画すれば、間作としてミーリョその他の植え付けも可能だ。
 この場合、大半の生産者が牧畜業者から育成途中の子牛を購入し、肥育させて転売という方法をとっているが、これは経費の節減と短期間で牛を入れ替えることにより、土地を十分に活用するという目的がある。
 関係者によれば、この融合法は、北パラナのような気候と肥沃な土壌に恵まれた地方ではあまり有効でない。砂質の土壌で秋から冬にかけて降霜の多い地方に適しているという。
 この農法のもう一つの条件として、直接播種がある。直播により、大豆またはほかの作物の草本部が地上に残ることになり、過剰な踏み固めが防止され、さらに牛の糞尿がそれらの植物に交じって土地の肥沃さを保ち、微量要素の流失を防ぐのである。