3月23日(火)
【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙】サンパウロ市ではラッシュ時に道路の渋滞が百十キロを超える。公共交通全国協会(ANTP)が実施した調査によると、月曜日から金曜日の間にサンパウロ市内の渋滞で一キロ当たり一分半が浪費される。平日の市内の平均速度は二十キロ、一キロ走るのに三分が必要で、週末に平均速度は四十キロに上がるという。サンパウロ州地下鉄公団の実施した別の調査は、サンパウロ市民が市内を通行するたびに平均二十六分を費やすことを明らかにしている。
運転手のほとんどが渋滞で貴重な時間を失う中、創造性をちょっと使って渋滞を穏やかにやり過ごす人たちがいる。ミレーナさん(二八)は渋滞のイライラ解消にハーモニカを見つけ出した。「演奏中は渋滞を完全に忘れる」と話すミレーナさんは毎日車の中で二時間半を過ごす。
タトゥアペーからモルンビーまで通勤するデニスさん(二五)は一日に七十キロを運転し、平均三時間半は車の中にいる。彼の渋滞やり過ごし術は英語の学習。「運転中はずっとテープを聞いて、渋滞したら本を読む。この勉強法の一番いい点はストレスを感じないこと」と自慢する。
ロドリゴさん(二七)はドラムのスティックでシートを叩いてイラつきを発散する。「僕をきちがいと思う人は道を譲ってくれるよ」。
特別なことをしなくても、渋滞中は気を落ち着かせるのが肝心。イラついても車が速く前進するわけでもない。交通医学が専門のサッバグ医師は、道路や時間の変更は渋滞が引き起こすストレスを減らす手段の一つで、車内の換気も大切だとアドバイスしている。