3月23日(火)
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)は二十日午後二時から、第十六回通常定期総会を開き、〇三年度事業報告、同年度会計報告、〇四年度事業計画案、同年度予算案などを審議、議題は満場一致で承認された。また、新役員選挙が実施され、谷理事長が再選した。同理事長は「任期中、事務所の改造などを行なった。二年前に約束した内容を十分に守られていない面もあります。もう二年信任を頂いて、中を変えていきたい」と組織改革に向けて、意欲を見せた。
今年度の予算は前年比十%増の百万八千四百八十レアル。初めて百万レアルを突破した。会費収入を八万六千五百レアル(前年比二〇%増)見込んだ。新しい人材を採用して事務局の充実を図るため、人件費を二四%増額、二十三万四千レアルとした。
国際交流基金、国際協力機構(JICA)からの助成金額は計五十万八千三百三十レアルで、予算の約五割を占める。JICAから交付されている教師謝金は、今年限りで廃止されることが決まった。
教師部会を早急に、立ち上げあることが確認された。「ふれあいセミナー」、「スピーチコンテスト」など教師主導で実施される事業・イベントが同部会に組み込まれることになる。事務局の負担を軽減するため、別会計とし専門の職員を配置する考えだ。
谷理事長は「自由な活動をするには、経済的に独立していなければダメ。利益が出たら、新しいものに投資出来るし、協力した教師たちに謝礼も払える」と独立採算方式について、理解を求めた。
新規事業として「ふれあいセミナー」の延長で、「ふれあい日本の旅」を計画中であることが発表された。〇五年に派遣予定で、日下野良武教育副理事長が訪日して日本側と折衝している。愛知万博が同年に開かれることなどから、派遣先は名古屋市が中心になる見込み。
また、例年一月に実施されてきた汎米日本語教師合同会が、半年ほど前倒しして七月にサンパウロで行なわれる。
会場からは、「デカセギ子女の教育問題を取り上げてほしい」、「日本語・日本文化の普及は、日系社会の義務なのか?政府との役割分担を明確にするべきではないか」といった意見が出た。デカセギ支援について、谷理事長は「現在、訪日前の人を対象にした九十時間ほどの講座を準備中です」と切り返した。
主な新役員は次の通り。【評議員会】会長=矢野敬崇、第一副会長=坂和三郎、第二副会長=栗原章子、第一書記=栗崎邦彦、第二書記=弓場パウロ。【理事会】理事長=谷広海、総務副理事長=高橋正剛、財務副理事長=板垣勝秀、教育副理事長=日下野良武、佐藤吉洸、書記=諸川有朋、会計=田中栄一。敬称略。