近頃の大学教授は、研究や論文で有名になるよりもセクハラで退職を命じられたりと不祥事が余りにも多い。と、これは日本での話ながら天下の東京大学では暴力団紛いのセンセイが現れ免職になった。工学系大学院の助教授が、学生に暴力を振るい遅刻の罰金として十万円を召し上げたのだから酷い。自分の靴を脱いで殴りもし腹を蹴ったりもしたそうだ▼早稲田大学総長だった奥島孝康氏は傘下の初等科入試面接で「三百五十万円の寄付」をお願いしたとかで話題になる。私立の日本語学校の経営者・吉田某は、中国人を八千人も不正入国させたりとスキャンダルが目立つ。大学や学校が「聖域」とは思わないけれども、これに近い存在であって欲しい。それが―カネとセックスや腕力の場となったのでは、もはや「学びの舎」としての価値はゼロである▼どんなに小さな大学でも「倫理学」の講座はある。道徳とは何かや善悪の基準を何に求めるかを学ぶ学問だが、教授や助教授はさっぱり解かっていないらしい。性的なことや金銭の取り扱いについてその昔は家庭で教わり、それが人々の身についた。日教組の悪口を言うわけではないけれども、戦後の教育では「人権」ばかりが重んじられて「人の生き方」が疎んじられた嫌いがある。その付けが今頃になって現れた▼専門的な知識は優れてはいても人間としての常識が欠けていたのでは教授も失格である。こんな破廉恥センセイ方ばかりではないだろうが、大学や学校の先行きが心配になる。 (遯)
04/03/18