3月13日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】アルトゥール・ヴィルジリオ上議(PSDB)は十一日、サントアンドレ市のセウソ・ダニエル市長殺害事件に対するCPI(議院調査委員会)設置を、上議二十七人の支持をもって申請した。大統領選でPTの裏金捻出の発覚を阻止するため、前市長の口封じをした疑惑が持たれている。政府は直ちに、設置を支持した上議の説得工作を開始した。
政府はビンゴCPIを葬って安堵の息をつくひまもなく、新たなCPI攻勢に取り組む。パイン上院副議長は十二日、ヴィルジリオ上議が提出したCPI申請書を朗読する。同時に申請を支持した上議二十七人の氏名も発表される。同二十七人に支持の意志を確認し官報で公示すると、CPI設置は決定となる。
ビンゴCPIと同作戦で、政府は支持した上議を説得しCPI申請を握り潰すと予想される。PTが隠蔽工作に奔走する姿を、どのように国民が見ているのか野党は注視している。
前市長の友人セルジオ・G・シウヴァ容疑者を主犯とし政治がからむ汚職構造の組織犯罪なのか、単なる誘拐殺人なのか全国民が事件の解明を期待している。サンパウロ州検察局は、サントアンドレ市政内に構築された汚職システムを、前市長が解体を試みたため殺害されたとする説を採っている。
CPIを設置してネズミ一匹出ないなら、それでよい。CPI攻勢も止む。責任者には、責任をとってもらう。政府は、政治に専念する。ジニス氏疑惑で見せた政府の戸惑う姿を、サントアンドレ市長殺人疑惑で見せないで欲しいと同上議は挑発した。
政府は、多数派を握っている。どんな疑惑があってもCPIは設置されることはないし、政府の不正にメスが入ることもないと、同上議はみている。上院憲法委員会は十一日、CPI設置の可否を巡って与野党が口論した。与党は野党も政権にあった当時、同じことをしたと応酬した。