3月11日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】経済開発局のジャッケス・ワグネル長官は九日、大統領府が党に対し経済政策批判を禁じたことで、パロッシ財務相を非難した。経済政策の調整を求めた党覚書の内容は妥当で、財務相が封じるべきものではないと抗議した。党の意見を押さえ独断専行するなら、財務相は国家経済を私物化していることになるとした。十一日開催の経済開発審議会はテーマが工業振興だが、マクロ政策にもメスを入れると糾弾した。
ワグネル長官の声明は九日、ルーラ大統領を交えた政策委員会の後で発表された。この声明は、経済政策で政権執行部に亀裂が入っていることを示した。大統領は政策批判を封じる言質を与えなかったが、抜け駆けは避けるよう注意したと、同長官は述べた。
「政府の強みは多数派を握っていることだが、政策が専制的な一本調子なら貧困化の道を突進する」と同長官は批判した。党内の悶着は外部へ持ち出さず内輪で話し合うが、PTは政府与党であって政治全般を論じる場所でもあることを認識すべきだと述べた。
社会情勢が失業と景気停滞で深刻化していることを、党は憂慮している。二月の消費者物価が〇・一八%のデフレを記録したのなら、政府の政策は硬直状態にあると同長官は論じた。マンテガ企画相が財政黒字の見直しを説明し、政策委員会の雰囲気を和らげた。
メルカダンテ上議が党と政府の仲立ちとなって、財務相の経済戦略を議論の的にしないよう忠告した。大統領府はジニス氏による政治危機の矛先が、経済問題へ方向転換したとみている。政府は電話規制と上下水道整備で、政治不在の印象払拭を図った。大統領府の懸念は、国際金融に与える政治危機の印象だという。
政策委員会は五時間にわたるハード・スケジュールであったが、大統領は始終リードし、疲れを見せなかった。大統領にご機嫌伺いをする者は、まず失業率を下げ経済を活性化してからせよと、同長官は一同を励ました。