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連警が無期限スト入り=85%給与調整を要求=組合側、90%参加と発表

3月11日(木)


 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日】連邦警察(連警)の捜査官、書記官および指紋押捺専門官が九日、全国で無期限ストライキに入った。これらの連警公務員は、連警警部の給料と同額になるよう八五%の賃上げを求めている。連警労働組合側は、九〇%の連警公務員らがストに入ると計算しているが、政府側は六〇~七〇%の参加だとみている。さらに、連邦政府の弁護士らや、国税庁の取締官らも、スト入りする可能性があるという。
 連警公務員らは、「法律に基づいて大卒者レベルの給料を払うべき」だと主張している。一九九六年に施行された法律九二六六条は、大卒者でなければ連警官になる資格はないと定めている。だが、これらの公務員らは全員大卒者でありながら、支払われている給与は中等学校(高校)卒業者並みに低いという。
 連警捜査官の初任給は四千二百レアル(基本給二百十レアル+特別手当)。対して、連警警部の初任給は七千八百レアル(基本給三百七十八レアル+特別手当)である。もし、連警公務員らの要求がそのまま認められれば、国庫は年間六億レアルを連警官らに支払うことになる。政府側はそのような予算はないと声明している。
 このストによって、各地の連警の活動が停滞している。
 パスポート(旅券)の発行はほぼ停止状態。外国で病気の治療をするなど、緊急のケースにのみ旅券を発行している。リオデジャネイロ州では、すでに航空券を購入していた人にのみ、旅券の発行を認めている。連警本庁は、スト期間に旅券を求めるのは控えた方が良いとアドバイスしている。
 アマゾン地方とペルナンブーコ州で実施中の二つの麻薬取引対策作戦にも影響が出ている。
 国境特別作戦の指導担当、マウロ・スポージト氏によれば、アクレ州、アマゾーナス州のペルーとの国境に九つの国境管理所が設置される予定だが、ストのせいで大幅に遅れるという。また、ペルナンブーコ州でほとんど撲滅状態にあるマリファナ栽培が再開する可能性もある。
 現在、リオ州で実行されているW・ジニス元国会対策副委員長の汚職疑惑が発覚した〃ビンゴ事件〃の捜査も支障を来している。事件を担当するエーベルチ・メスキッタ警部は九日、書記官がスト入りしたため、すべての事情聴取を一人で記録するはめになった。
 空港・国境地域での出入国管理もおろそかになっている。サンパウロ州のグアルーリョス国際空港では、旅客機の離陸が一時間以上遅れ、空港の外にまで旅客の長蛇の列ができるほどの混乱となった。約七千五百人の旅客に迷惑をかけたと、ブラジル空港整備公社(INFRAERO)はみている。同州サントス港では、船員・乗客の入管手続きや、海賊版商品の取締が中止された。バイア州では、空港と海港での出入国管理に影響が出た。
 アラゴーアス州マセイオー市、アクレ州リオ・ブランコ市、パラナ州クリチーバ市では、連警捜査官らが銃器を署に返上してからデモ行進したという。
 このほか、大臣や外交官の警護などの活動の妨げにもなると懸念されている。