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PT幹部が経済政策酷評=大統領 党首に収拾要請=党員の公式批判を禁止=失業に苦しむ国民救済を

3月10日(水)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙九日】PT党幹部会議で政府の経済政策に対する批判が相次いだことからルーラ大統領は八日、ジェノイノPT党首に収拾するよう要請した。党の政府批判による影響を憂慮して、大統領とパロッシ財務相は電話で、与党議員が公の場所で政策批判をしないよう党首にその説得役を要請した。フルラン産業開発相は、政府の経済政策に原則的に同意をするが、常に融通性は必要だと述べた。

 マイナス経済成長率に加え、二〇〇四年の経済活性化も見えないことで政府に対する党の批判が厳しい。PT党幹部会議は政府の経済政策批判ではないとしたが、声明は辛辣な内容であった。経済政策に積極性を欠き果敢な施策がないと、パロッシ財務相への批判が集中した。
 政府の要としてジルセウ官房長官への擁護は、多かった。政治危機での政府の優柔不断な姿勢と不手際を批判する声が相次いだ。党内の政府に対する不満の声は、十一日開催予定の産業開発審議会で暴発するとみられている。
 ジェノイノ党首は党を代弁して、失業で国民の不満は限界にあり、外資導入や治安対策などで広範囲に、政府の積極的対応を要求すると述べた。党首は党内からの厳しい風当たりを一身に受けたが、大統領の説得と財務相の要請で党のなだめ役を命じられた。
 党幹部会に出席した労組代表は、現経済スタッフの政策は信用できないとした。デウフィン・ネット氏などを講師に招き、ゼミで広く意見を聞くことにした。現状維持なら、大統領府に四年間で最低賃金を倍増する公約を実現する実力はないと見限った。
 一方フルラン産業開発相は、PT幹部から意見を求められた。経済政策は原則的に正しいが、政策は常に融通性のあることが肝要という。ミクロ政策で工業対策、技術革新、海外貿易、雇用創出などの部門に潤滑油的な投資が適宜に必要だと述べた。