3月 6日(土)
【ヴェージャ誌三日】15歳の少年俳優が、視聴率を上げられなかったグローボTV局の午後6時のドラマを盛り上げている。少年俳優の名はカイキー・ブリット。彼はドラマ「ショコラッテ・コン・ピメンタ(直訳=辛子入りチョコレート)」に少女ベルナデッテとして登場。先週(2月末)、この少女が実はベルナルドという男の子だったことがばれるストーリーが放映され、最近の午後6時のドラマではあり得なかった視聴率41ポイントを記録した。
グローボTV局は当初、同ドラマに少女から少年に変身する話を入れることに反対していた。午後6時のドラマは、時間帯の問題から性・暴力シーンに対する年齢制限規制が厳しいので、軽いタッチの話が好まれる。当局製作部担当らは、「この時間帯のドラマにふさわしくない」と考えていた。
だが、同ドラマの脚本家のヴァウシール・カラスコ氏は、「絶対に入れる」と主張し、入れて正解だったことを証明した。現在、同ドラマの平均視聴率は37ポイント。グローボ局は笑いが止まらない。
この〃少女〃の話の概要は次の通り。
「女の子を養女にしたい」と望んでいたジェゼベル(女優エリザベッチ・サヴァーラ)はある日、ジェゼベルの下で働いていた家政婦の娘を養女にする。家政婦はもちろん、自分の子が男の子だと知っていたが、女の子だとウソをつく。ジェゼベルはその子をベルナデッテと名付け育てる。この子が男の子だとばれなかったのは、ジェゼベルが子供の裸を見ようとしなかったから(?)だそう。
先週放映されたのは、ベルナデッテの性に疑問を持った多くの登場人物が、〃科学検証〃をするため恐る恐る少女のスカートをめくり、男の子だと確認する場面だった。
カイキー少年にとって、ドラマ開始から5カ月間は大変だった。1時間に渡るメイクの後に、服装やリボンなどの入念なチェックを経て、やっとカメラの前に立つことができる。しかも道端では多くの視聴者からオカマ扱いされた。屈辱的な言動に我慢してきたカイキーは、「もう止めようかと真剣に悩んだ時もあった」と打ち明ける。
カイキーにとってこの役を演じることは、俳優としての素質を周囲に認めさせる絶好のチャンスだった。カラスコ氏は「配役は大成功だ。ベルナデッテを演じる際、カイキーは大げさな演技は一切見せず、ほどよくコミカルに仕上げた。彼の演技のおかげでベルナデッテは成功したと言える」と称賛している。
2002年にドラマ「オ・ベイジョ・ド・ヴァンピーロ(直訳=吸血鬼のキス)」で初登場したカイキーは、グローボ局のメインキャストとしての座を確保した。ベテラン俳優並みの膨大な数のファンレターも届いているほど。これから美少年ベルナルド役を演じていくカイキー自身は、「私生活については触れたくない。仕事と視聴率アップに専念しているよ」と照れている。