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IMFに協定見直し要請=米国の支持求める=インフラ投資拡大のため=経済成長の優先主張

3月 4日(木)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙三日】国際通貨基金(IMF)要求の財政黒字が、ブラジルの経済成長の重荷となっていることでルーラ大統領は二日、会計処理法の変更をIMFに要請し、ブッシュ米大統領にも理解と支援を求めた。要求がIMFによって容認されれば、二〇〇五年は景気回復を優先し基礎収支は経済成長に準じることになると、パロッシ財務相が述べた。

 大統領の要請は、インフラ・ストラクチャー(下部構造)への投下資金を資産ではなく経費として会計処理することを、IMFによって容認してもらうこと。米政府からIMFへ出向している職員に、米大統領からブラジルの経済事情を説明するように依頼した。
 PT政権の初年度二〇〇三年は、二〇〇二年の金融危機の後遺症で経済活動は大きく落ち込んだ。基本金利は、インフレの再来を恐れ高率に設定された。昨年は下半期から経済回復の兆候が見えたものの、経済成長率はマイナス〇・二%という惨状であった。
 会計処理の問題はラテン・アメリカ全体、特にアルゼンチン経済に重荷となって、のしかかっている。米大統領は、即時検討して返答することを約束した。またIMFに貸し越し特別小切手のシステムを導入し、途上国経済を支援するように、大統領は要請した。
 二〇〇三年度IMFの基礎収支黒字は、国内総生産(GDP)の四・二五%で合意した。ブラジルの財政法や複数年予算法は、IMF基礎収支を根底にして組み立てられた。インフラ整備への投下資金は、ブラジル経済にとって膨大な金額であり基礎収支のバランスが崩れる。インフラ整備は、ブラジル産品の輸出競争力には不可欠な投資だ。
 財務相は二〇〇五年、財政黒字は上げも下げもしないと言明した。まず経済成長があって、財政黒字は成長に準じるべきものとした。党内から結果を出せなかった経済政策に対し強い批判があり、政府首脳部が対応したとみられる。
 ジニス元国会対策副委員長の不祥事で、政界の関心がCPI(議会調査委員会)の設置へ向いている。同事件への注視を回避させるために、経済活動の重要性を呼びかけたともみられる。