3月 2日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙】楽しそうな任務―おもちゃ、遊戯、ゲームの調査―を負って、調査隊がブラジルのインジオたちを尋ね歩いている。昨年十一月に調査を開始した調査隊はシングー川上流域のカマイウラー族、マット・グロッソ州のボロロ族、パレシ族の集落を訪れた。「ブラジルインジオの遊戯プロジェクト」の報告は単に好奇心を満たす以上のものとなっている。調査員たちはボロロ族の遊びの中におそらくインカ帝国時代に起源を持つ、知的ゲームを発見した。
アドゥーゴは同調査隊のリーマ隊長とノゲイラ調査員を最も驚かせたゲームの名前だ。砂の上に「碁盤」が描かれ、豹(ひょう)を意味する石が一個と犬を意味する石が十五個、並べられる。豹を動かす競技者は犬を食べる(飛び越える)ために石を動かし、対戦者は犬を動かして、豹に飛び越えられないように豹を囲っていく。
リーマ隊長によると、アドゥーゴと似たゲームはインカ人も行い、今でもペルーの田舎で行われているという。インドと中国にも同様のゲームがある。現在に至るまでアドゥーゴやその他こうした複雑なゲームは、ブラジルのインジオの間で確認されていなかった。
調査員たちが収集しているカマイウラー族のゲームやおもちゃのレパートリーには、果物と棒でできたこまや竹製の空気銃など、インジオのものとして知られてこなかったものが含まれている。
シングー族の遊戯として、頭を砂で隠された人がその時の太陽の方角を当てる「火はどこだ」や、寝転がった人が我慢できるまで次々と上に他の人が乗っかっていく「マンジョッカ」が記録されている。
調査隊は二人の調査員と四人の映像スタッフで構成される。五十万レアルの予算がついた「ブラジルインジオの遊戯プロジェクト」は四月に終了予定で、それまでに調査隊はテレーナ族(マット・グロッソ・ド・スル州)、カネーラ族(マラニョン州)、グアラニ族(サンパウロ州)、マシャカリ族(マット・グロッソ州)の集落を訪れる予定だ。
調査終了後、ゲームの複製がブラジルや他国の博物館に送付され、テレビのドキュメンタリー番組の制作、収集したデータの詳しい分析が行われる。ゲームの一つは二万キット複製され、公立学校に配布される。調査隊の報告と様々な映像はインターネットサイト「ポルタウ・エスタドン」(www.estadao.com.br)に掲載される。
ボロロ族とカマイウラー族の伝統的遊戯は、子どもと若者の関心が低いため数年以内に消滅する可能性がある。「彼らはサッカーをしたがり、大都市のサッカーチームを応援したがる」とリーマ隊長は話す。「でも大人たちが遊戯を子どもたちに教えている」。
どの社会にもあるように、ブラジルのインジオの遊戯にも競争の要素があると十四年前からブラジルの遊戯を調査してきた研究者は分析する。しかし、勝者も敗者も決まらない遊戯も多いという。例えば、イワイワというゲームではブリティヤシでできた大小様々な円盤を投げ、それを別のグループが弓矢で当てるが、一番小さい円盤を当てた時にグループは交代するだけである。
リーマ隊長によると、調査員の興味を引くのはインジオたちの創造性だ。「カマイウラー族は手先が器用で、ボロロ族はアドゥーゴの複雑さが私たちの興味を引いた。長い歴史に育まれた豊かな文化の存在に私たちは気づいたのだ」。