頻発するサメの襲撃事件=レシフェの海岸が危険
3月 2日(火)
【エポカ誌】サメに襲われる恐怖が夏の海を楽しむサーファーや海水浴客たちの間に広がっている。しかし、人間にとって最大の脅威の一つであるサメの実態は神話に包まれたままだ。
このどう猛な生き物に関する希少な本「ブラジルのサメ」が生物学者のシュピルマン氏により執筆された。同氏は環境保護・教育活動を実施しているアクアラング生物研究所の所長でもある。この著書にはブラジルの海岸に生息する八十八種類のサメの特徴、生態、そして攻撃方法が詳細に記されている。
「サメはどう猛な殺し屋であるという先入観を払拭したかった」と同氏は語る。しかし、それは容易な業ではない。ブラジルの海岸でサメの襲撃事件は頻発している。ペルナンブッコ州は総件数の四六%を占めて最悪の結果となり、レシフェ市のポルト・デ・スアッペとプライア・デ・ボア・ヴィアージェンの間わずか二十キロ以内の海岸だけで、九二年から〇三年までに四十四件の襲撃事件が発生した。
同氏はサメの攻撃は意図的なものではないと話す。「人を食べる性質はサメにはない。攻撃の一〇%しか捕食の目的を持たない。他は攻撃対象の誤認か、自己防衛を目的としている」。海岸部の都市化や観光船の増加など、サメと人との接触機会の増加が襲撃事件と結びついているという。
サメ対策として、レシフェ市当局は危険海域でのサーフィンを禁止した。消防隊は特別救出チームを編成、電波を使ったサメよけ装置の装備を進めている。
ブラジルではサメに襲撃された人の死亡率は高い。特に北東部地方ではサメが大型で、救急治療体制も不備なことが死亡率を高めているという。海水浴客が襲撃を避けるには、一人で、または血が出る傷を負ったまま決して海に入らないこと。サメが活発になる日没後から夜明けまでも入水は避ける方が無難だ。