2月27日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日~二十六日】「動物変死事件」に頭を抱えているサンパウロ動物園で、一月二十四日から二十一日までに三十五匹の動物が死亡し、うち十匹が毒死したことが判明している。警察は動物が毒殺されたとみており、犯人は五人ほどのグループで犯行に及んでいると推測。動物園の職員や、動物園の管理を請け負う会社の従業員などが容疑者だとされている。
サンパウロ市司法警察署(Decap)のクローヴィス・F・アラウージョ警部によると、動物に接近することができ、劇薬の知識を持つ容疑者のリストから、容疑者グループを割り出したという。警察は捜査の妨げにならないよう、容疑者の姓名や請負管理会社の名前は公表していない。
一方、サンパウロ市娯楽関係業者労働組合のエリソン・ザッパローリ組合長は、「餌係の職員六人が勤務から一時的に外されている。動物園の餌係の職員たちは、職員の中でも動物が自分の子供のように可愛いという人ばかり。園内の職員に疑いの目を向けるのはおかしい」と訴えている。
犯罪研究所の精密検査の結果によると、毒はいくつかの有毒物質を混ぜたものだった。動物中毒専門家らによれば、動物が事故で服毒したという可能性は少ないという。サンパウロ州立大学(Unesp)のミチコ・サカテ教授は、「ゾウ一頭を毒死させるには大量の毒が必要だ」と説明する。残りの動物の死も毒によるものかどうか現在検査中である。