2月17日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】大統領府は十三日、ワウドミロ・ジニス国会対策副委員長を汚職関与の容疑で更迭することを決定した。同容疑者はジルセウ官房長官の右腕として辣腕を奮い、大統領府で最も信任ある人物の一人であった。二〇〇二年から週刊誌で、同容疑者と賭博業者の関係が取り沙汰されていた。野党PSDBは、同容疑者を起用した官房長官の責任を追及した。政府中枢部の汚職疑惑で議会調査委員会(CPI)の設置を求める与野党の攻防戦が始まった。
ブラジル政界からの汚職一掃をモットーとするPT政権にとっては、大きな汚点第一号となった。更迭の決定は金曜日の十三日、PT創立二十四周年記念式典で行われた。決定の根拠は二〇〇二年、同容疑者が賭博業者に選挙資金の協力を要請した現場を撮影され報道されたからであった。
連邦警察は、現場の撮影に政府内と連警内で加担した者が複数いるとみている。撮影のためブラジリア空港のロビーに多数のカメラが、設置され、複雑な作業が行われた。同容疑者の本職と賭博業者とのかかわりや賭博業者が政府内に築いた組織の解明も行うと、連警は発表した。
ビンゴなどの賭博業者は、連邦都を始めゴヤス、ミナス・ジェライス、リオデジャネイロ、パラナ、南リオ・グランデなど六州で選挙資金を融通したと、週刊誌は報道している。
国会は十六日、開会する。アンテロ・P・バーロス上議(PSDB)の音頭で、政府中枢部の不正解明に関する議会調査委員会(CPI)設置運動が始まった。
しかしアウキミンサンパウロ州知事、やネーヴェス・ミナス州知事、ジェレサッチ上議などが、CPI設置に関心がなく足並みはそろっていないようだ。PT執行部は、CPI阻止へ向けて上下両院に総動員令を発動した。
一方フォンテレス検事総長は、どの政党であろうと不正は解明すると声明を発表し、検察庁の独立性を強調した。大統領や与党幹部らは、政府中枢部の不正告発が頭痛の種になると予想している。PTは攻撃を得意としたが、防御には経験不足を認識したようだ。