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記者の眼=形式と名誉を優先=期待される〝骨〟のある議論

2月17日(火)

 祭典協会執行部は、三月二十五日(木)に記念事業案を決議する臨時総会を開催すると発表したが、ノロエステ連合代表代理、アラサツーバ日伯文化協会の加藤孝第一副会長をはじめ出席者数人からは「我々のように遠くから参加するものには、平日にサンパウロに来るのは難しい。せめて週末にできないのか」との声が挙がった。
 百周年のメイン事業を決める、日系社会にとって最も重要な総会にも関わらず、岩水専任理事は「文協の施設が混みいって場所がとれず、執行部の日程も合わないから」と説明をした。遠来の出席者からは「結局、サンパウロ中心か…」との嘆く声も。なぜ祭典協会が盛り上がりを見せないのか、その一端を垣間見た思いだ。
 また、リオ州日伯文化体育連盟の鹿田明義理事長は「リオも独自の百周年プロジェクトはあるが、こちらに出すことは検討していない。現在出ているものも、ほとんどサンパウロに関係するものだけ。だいたいパラナのものが一つもないのは、不思議だ」と各地の日系団体との話合いの必要性を訴えた。さらに「議事録が全く送られてきていない。ちゃんと送って欲しい」と事務の遅れも指摘した。
 吉加江宮崎県人会長の指摘通り、選考基準を発表する前に事業案を募集するというやり方は、順序に問題がありそうだ。すでに第一次募集も終わっていることもあり、公正かつ透明な審議プロセスの公開が望まれるところだろう。
 今のところ、会議のたびに決まるのは、定款やら、役職、役員だけ。形式と名誉ばかりが優先され、肝心の中身がなんら具体化されていないようだ。どのような方向性をもった百周年にするのか。なんのための百周年か。目標や方向性を打ち出さずして、どのように記念事業案を選ぶのか。実働部隊となる各委員会はどのようなものが、いつできるのか。骨のある議論が期待されている。
 すでに、個人で五口の会費を先払いした戦後移民もいる。みんなの想いを、受けとめられる祭典協会であってほしい。 (深)