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労働法改正で雇用創出=05年に取り組みへ=地方選挙の今年は回避=FGTSなど見直し

2月14日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日】ルーラ大統領は十二日、雇用創出のために労働法改正は不可欠であると、新聞記者との夕食会の席上で述べた。二〇〇四年は地方選挙が行われるため不評の問題に触れず、二〇〇五年で同案に取り組むことを明らかにした。有給休暇を除いて、特に雇用創出の妨げとなっている解雇時のFGTS(勤務年限保障基金)四〇%の積立てと十三カ月目給料の分割払い制などが、見直しの焦点になるとした。

 大統領は一連の構造改革で、二〇〇四年の予定として労働組合の改革と司法制度の改革を挙げた。労働法の改正は、地方選挙が行われる二〇〇四年に適当ではないとした。
 雇用創出の促進を至上課題として労働者や経営者、政府は相互間で、労働法に柔軟性を持たせるため話し合うべきだと語った。現時点では双方とも獲得だけに狂奔して譲歩がないため、事態は停止状態にある。
 労組が「柔軟性」という言葉に拒絶反応を引き起こすならば、雇用創出の障害となっているFGTSの四〇%積みましと十三カ月目給料の分割制から検討すると、大統領は指摘した。
 有給休暇だけは世界共通の観念で、変更の余地はないとした。昨年の伯米首脳会談でも、同件に触れた。帰国後の七月、経営者らと労働者の休暇に関する会合を予定したが実現しなかったと述べた。
 CUT(統一中央労組)のマリニョ理事長は直ちに反論して、政府が労働法改正の方針で権利剥奪を試みるなら、PT政権に対し抵抗することを誓うと述べた。ルーラ大統領の融通が利く労働法改正案は、前政権の労組一本化案より悪質だと酷評した。政府の労組改革に先立ち、労組の組織強化を呼びかけた。
 FS(労働前線)のシウヴァ理事長は労働者によって選出された大統領のPT政権が、労働者から権利剥奪の交渉に臨むのは犯罪だと訴えた。労使間の直接交渉は労働者に不利であることは明白。失業増大と所得低下を会社側は、武器にしていると述べた。