2月12日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】消費者は二〇〇三年、食費を切り詰め電気料金を滞納したが、肥満防止薬や性欲促進剤には糸目を付けなかった。その他に月経調整薬や抜け毛防止薬、内気克服剤、注意喚起剤、喫煙家の肺強壮剤、夜尿症治療薬は大きく売上を伸ばしている。
製薬業界は常備薬の売上が昨年、四%減少した。しかし、これらライフスタイル・ドラッグは、平均二〇%と好調な伸びを示した。特に媚薬や肥満防止薬、発毛剤、意欲減退防止薬は年間、売上げ十億レアルと華々しく急成長する有望市場となっている。
経済成長率は一%に達するか否か思案しているとき、媚薬に至っては四六%の年間成長率だ。ファイザーはヴァイアグラを年間、二億レアル売上げて笑いが止まらない。ヴァイアグラのライバルであるシアレリは四千八百万レアルの売上げ、続いてレヴィトラが千三百万レアルとなっている。
薬局は、ヴァイアグラを生活必需品扱いにしている。中高年は平均毎月二回の割合で常用するので、在庫に配慮している。常連客はヴァイアグラの購入に年間、四百二十レアルを費やすが御満悦の様子。夫婦仲も、非常に円満と好評だ。
次に多く求められるのが、意欲増進剤。プロザックやゾロフト、エフェクソール、またそのコピー薬品は、二四%の販売増加。年間総売上で四億レアルとされる。もはや意欲喪失は、死語になったようだ。意欲増進剤は意欲ばかりでなく、月経不順や夜尿症、早漏、性欲減退にも効能がある。
意欲増進剤は、今まで原因不明とされた病気にも効果を挙げている。月経期になると精神的に不安定になり、夫婦生活に支障を来していた婦人らに好評。これまで女性間では、意欲増進剤を性欲促進剤と混同して偏見があったようだ。心筋梗塞や生活苦で生きることに自信を失った人たちが、意欲増進剤に出会って曙光を見いだしている。