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コラム 樹海

 二月十一日は「建国記念日」。戦前には「紀元節」と呼び四大節の一つとして祝賀され国を挙げて祝ったものである。言うまでもなく神武天皇が奈良県・樫原で第一代の天皇に即位された日とされる。古くから庶民らが語り継いできた「神話」に近いものだろうが、それでも多くの人は「二月十一日」を大切にしてきた▼こうした意義深い日の式典に小泉首相が欠席し祝辞は福田官房長官が代読したそうだ。首相の公務が多忙なためかとも思ったけれども、どうも違うらしい。イラクへの自衛隊派遣や靖国参拝などに加えて建国記念日の式典に出席すればタカ派と見られかねないの懸念から欠席したの推測が専らなのだけれども、これはおかしい▼ブラジルを持ち出すわけではないが建国や独立を祝う記念日の式典には元首や大統領が必ず出席するのが国の決まりと言っていい。小泉首相にどのような事情があったのかは不明ながら「欠席の理由」をはっきりと言明するのが政治家としての姿勢ではあるまいか。単に「欠席」だけでは国民の方も納得はすまい。イラクへの自衛隊派遣は重大な決断であり国内の意見も二つに別れてはいる。しかし、これと建国記念日の式典とは何の関連もない▼「二月十一日」を記念日とするのには大いなる論争があったし新聞や雑誌も大騒ぎは事実であるし、神武天皇も「神話」と見る向きは多い。だが、祖母から母へと何代にも亙って語られてきた神話の歴史は民族の豊かで深い物語であり「日本人の心」であることを忘れてはなるまい。    (遯)

04/02/12