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増える個人の自然保護区=総面積4500平方キロ=免税などの利点が後押し

1月31日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙】理想、財政支援、持続可能なビジネスが理由となり、民有地の所有者たちが年間三百五十平方キロメートルに及ぶ森林を保護し始めている。
 自然遺産の個人保護(RPPNs)に関する最初の法令が施行された九〇年以降、ブラジルでは個人所有の自然保護区が年平均三十カ所で誕生している。保護区所有者の利点が強調された九七年から二〇〇〇年の間に誕生した保護区の数は、年間五十にも達した。
 行政当局、保護区の所有者団体、環境保護NGOの取り組みの結果、保護区は現在、三百九十二カ所、総面積四千五百三十三平方キロメートルに達しており、この面積はイグアス国立公園三つ分に相当する。
 保護区はすでに全州に存在し、ミナス・ジェライス州(六十一カ所)、バイーア州(四十九カ所)に最も多く、アクレ州とセルジッペ州にはそれぞれ一カ所しかない。
 専門家たちによると、個人所有の自然保護区の重要性は、個人の保護活動が公の活動を補完する点にあるという。
 RPPNsは生物多様性、風景、植生保護の必要性が高いすべての土地が対象で、国立自然環境保護院(Ibama)が認定する。認定はすでにある保護区の近接地域が優先される。
 保護区の所有者は地方土地税(ITR)が免税となる。所有者が注目しているのは保護区内でのレジャー、教育、調査活動の推進を目的に国立環境基金(FNMA)や国内外のNGO団体から融資を受ける可能性があることだ。また、保護区は永久的に農地改革の対象とはならない。
 一方、保護区所有者は保護区内の植生維持、Ibamaによる保護区利用計画の承認、保護区の状態やそこでの活動についての年次報告書提出の義務を負う。保護区では科学、文化、教育、レクリエーション、レジャーに関する活動だけが認められ、自然を破壊する活動は禁じられる。所有者が変わっても保護区の認定は有効で、新しい所有者は保護区を尊重しなければならない。
 「まだ利益を生む活動ではないが、将来は必ずそうなることに賭けている」とバイーア州南部で二百ヘクタールの保護区を所有するカルヴァーリョさんは語る。「カカオ農場の経営がうまくいかず、九五年に保護区に変更した時、近所の住民からは気が狂ったかと思われた。もしそこの木を全部切れば金持ちになっていたからね」。
 現在、そこでは科学研究、エコツーリズム・環境教育計画が実施に移されている。「自然保護はずっとうまくいっている。強制されたものじゃないから」とカルヴァーリョさんは締めくくった。