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伯パルマラット和議申請=経営立て直す方針=認められれば 負債返済2年猶予へ=連邦政府、介入を検討=酪農業者の救援考慮

1月30日(金)

 【各伯字紙経済面、フォーリャ・オンライン二十九日、時事二十八日】経営破たんしたイタリアの食品大手パルマラットのブラジル子会社、『パルマラット・ブラジル・S・A・インドゥストリア・デ・アリメントス(以後、伯パルマラット)』と、同社の管理を担当する『パルマラット・パルチシパソンエス・ド・ブラジル有限会社(以後、伯パ管理会社)』は二十八日、サンパウロ市の民事法廷に対し、破産法に基づく強制和議を申請した。二社は倒産防止のため債務返済を猶予してもらい、負債の整理と経営立て直しを目指す方針を示した。

 パルマラット・グループの債務は十八億ドル(約五十二億レアル)に達すると計算される。債権者である五金融機関が同グループの破産を宣告するよう裁判所に申し立てたほか、三者から資産仮差押さえの申し立てもあった。同グループの口座があるブラジル銀行モルンビー支店は先週、債務不払いを理由に同社の預金(千三百二十万レアル)を凍結している。また、九十以上の同グループに対する支払拒絶手形もある。
 同グループに頼っている供給会社や同グループの従業員(全国で約六千人)たちは、連邦政府に二社への介入を求めている。これらの強い圧力に耐えられなくなった同グループは強制和議申請の決断を下した。こうして伯パルマラットは第二十九民事法廷に、伯パ管理会社は第四民事法廷に申請した。
 伯パルマラットは声明で、強制和議申請は「会社を存続させ、ブラジルでパルマラットを再建させる計画を引き続き進めるため」だと説明。また、不正経理問題による本社の破たん後、銀行などからの融資引き揚げで危機が悪化したと主張した。二〇〇一年に同社再建を任命されたリカルド・ゴンサウヴェス社長は、「非常に悩んだが、避けられない決定だった」と四方から打ちのめされた様子だ。
 強制和議によって、ブラジル子会社が抱える負債は最大二年間の返済猶予が認められる一方、経営は裁判所の監督下に置かれ、資産処分なども禁じられる。
 パルマラットはブラジルで、乳製品を中心に手広く事業を展開しており、子会社の経営悪化で、国内酪農業者への代金不払いや工場労働者の一時解雇など影響が出ている。
 連邦政府は二十八日、パルマラット危機で影響を受けている酪農業者などに対する救援対策を練った。二十九日午後一時三十分ごろの情報では、ロベルト・ロドリーゲス農相やジョゼ・ジルセウ官房長官、財務省や司法省、ブラジル銀行、中央銀行の代表らの間で会議が同日開かれ、ブラジルのパルマラット・グループへの介入暫定令(時限立法)案を検討するという。
 ロドリーゲス農相によると、パルマラットによる乳製品販売が困難になるとみた酪農業者たちは、牛乳を市場平均価格よりも低い値段でほかの乳製品会社へ売り払っているという。これが長続きすれば、今度は酪農業者たちが破産に追い込まれる可能性もあると、農相は重視している。
 また、本社の不正経理問題に関連して、イタリア国外へ流れた資金がブラジルの関連会社へ渡っていた疑惑も浮上しており、既にブラジルの連邦警察や税務当局が捜査に着手している。